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企業負担を軽減「有期雇用特別措置法」とは

JIJICO 2014年11月25日 10時0分

労働契約法の特例を設けるためにつくられた法律

11月21日、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(有期雇用特別措置法)が衆議院で賛成多数で可決されて成立し、来年4月1日に施行される予定となりました。

この法案は、そもそも平成25年4月1日より改正された「労働契約法」により、平成25年4月1日以降に有期労働契約を締結した従業員が5年を経過し、次の契約の際に無期契約を希望した場合、企業はそれを拒むことができない、というものに特例を設けるためにつくられた法律です。ただし、拒否できる上限は10年までとされました。

あまりに大きかった企業の負担を軽減する

つまり、次の(1)と(2)に該当する従業員については、5年ではなく10年まで無期転換させなくて良いということです。
(1)5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く高度専門知識等を有する有期雇用労働者
(2)定年後に有期契約で継続雇用される高齢者

(1)の「高度専門職等を有する有期雇用労働者」については、「一定の国家資格保有者」「年収1,075万円以上の技術者、システムエンジニア、デザイナー」などが想定されていますが、該当する人はそう多くないと思われます。しかし、(2)の「定年後に有期契約で継続雇用される高齢者」は、相当数に上るでしょう。

この法案がなければ、60歳定年後継続雇用の従業員が65歳以降も無期契約を希望した場合、企業は拒むことができず、終身雇い続けなければならないという解釈でした。それでは企業負担があまりに大きいため、今回の法律が作られたということです。

企業側、労働者側双方にとって利点がある

平成30年4月1日以降、5年経過する人が初めて出てきますが、それまでに何か対策を取らなければと考えていた企業にとっては朗報です。また、労働者にとっても、企業側が対策として65歳以降の契約は一切しないという措置を取らなくなるため、65歳での雇い止めがなくなり、延長して働くことができそうです。

ただし、企業が無期転換に関する特例の適用を受けるには、「対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置についての計画」(計画書)を作成・提出し、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。その内容については、これから厚生労働省令(施行規則)において明らかにされるとのことです。手間は増えますが、しっかり対応しましょう。

(影山 正伸/社会保険労務士)

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