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静かなブーム「圏外旅行」が心にもたらすメリット

JIJICO 2014年11月28日 12時0分

「つながる」時代に逆行する「圏外旅行」が人気

昨今、海でも山でも、どこに行っても大体の場所で携帯電話の電波はつながります。いたるところにWi-Fiが設置され、人々は電車に乗りながら、歩きながら、何かを食べながら、しまいには友人と会っていてもスマホを見ながら生活してしまっています。

想像してみてください。休暇を取り、船で島へ行き、さらに小舟で、その先の小さな島へ渡る。携帯電話の画面には「圏外」の文字。そこでは、顔を合わせた人との会話と自分で歩き探し見たものだけが現実。時間はゆっくりと流れていく…。

最近、このような「圏外」の環境に付加価値をつけた旅行プランを求める人々が静かに増えつつあるようです。実際に体験した人は「頭を空っぽにして、前向きになれた」とリフレッシュ感を語ります。

人間の「承認欲求」を満たすSNSに疲弊していく現代人

整備されたネットワーク環境と、進化したスマートフォンやタブレット端末によって、私たちは、いつでもどこでも、友人の近況や気分、昼食に何を食べたかまでわかるようになりました。SNSやブログには、人間の「承認欲求」を満たす仕組みが組み込まれています。「いいね!」といったボタンやコメント欄がそれです。

そういった反応で、満足してしまううちに何度も何度もSNSを見るようになります。ときには、いつもより反応が少なければ落ち込んだり、他の人の楽しそうな投稿を見るのが苦痛になってきてしまったりします。私のもとにも、そういった相談はしばしば聞こえてきます。

また、「つながる」という便利さ故に、常に仕事のことを考えてしまい気持ちが休まらないことで自律神経が不調になり、眠りが浅く朝方目が覚めてしまう「早朝覚醒」になっている人も少なくはないと感じます。

ときにはスマホの電源を切って、のんびりと過ごしてみませんか?

「圏外旅行」のメリットは大きく2点あると考えます。

(1)比較疲れからの脱却
(2)人間という動物としてのリズムを取り戻す

便利な「IT技術」も「使う」ならまだしも、「使われる」のでは本末転倒です。心のバランスを崩すと、人は良い音色が出ません。離島まで行かなくとも、ときにはスマホの電源を切って、リアルに心休まる人とのんびりと過ごしてみませんか?

(青柳 雅也/心理カウンセラー)

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