Twitterにアップされたバイトへの張り紙が物議を醸す
「年末年始休み×の人勝手に×付けんと理由を教えて下さい。正月なので忙しいです。始めの面接の時も入れるか聞いています。そもそも大型連休入れない子は採用しません。なので全員大丈夫として働いていると思います。正月なので家族と一緒に友達と一緒に、地方の子は実家に帰る等。この様な理由であれば許可しません」
Twitterにアップされたバイトへの張り紙を巡って、「ブラックだ」「いやブラックではない」といった賛否が物議を醸しているようです。
張り紙は違法とまでは言えない
法律的に考えてみましょう。まず、「出勤できない日に×をつける」ということは、シフト制であることがわかります。スタッフの都合を聞き、おそらく1か月間のシフトを作っているのでしょう。シフト制でなければ、例えば月・水・金の9:00~15:00などと勤務する曜日、時間が既に決まっています。これに対して、シフト制は、直前にならないと1か月の勤務する曜日、時間が決まりません。これ自体は何ら違法ではありません。
また、面接時に「年末年始は出来るのか」について確認をして採用していたのであれば、逆に出勤できないということになると、アルバイトスタッフ側にも非があります。ですから、このような張り紙は違法とまでは言えないと思われます。
理由によって休日を許可しないのは道義的に問題がある
ただ、例えば有給休暇の取得について、「遊びに行く」など、どんな理由であろうと本人が請求した以上、「事業の正常な運営を妨げる場合」でなければ、日にちの変更もできません。つまり、理由など聞いてはいけないのです。休日について、理由によっては許可しないというのは脅しにも取れますし、法令に違反するわけでは無いけれども道義的には問題がある、というところでしょう。そこが、ネット上でも議論を呼んでいるところではないでしょうか。
年末年始がよほど忙しいのでしょう。人材を確保するのに大変なのはわかります。シフトを作る際のこのような張り紙も、もう少し軟らかい表現をする方が良いでしょう。
年末年始に出勤できないくらいで解雇してしまえば不当解雇に?
あと、問題になるとすると、実際に×を付けて出勤できないアルバイトスタッフをどうするのでしょう?解雇するのでしょうか?この辺りの対応がどうなるかがわかりませんので、推測でしかありませんが、もし、解雇してしまうようであれば、それは行き過ぎに思われます。
面接時に「年末年始は出勤できる」と言ったとしても、事情が変わる場合もあるでしょう。忙しいとからと、年末年始に出勤できないくらいでアルバイトスタッフを解雇してしまえば、それは不当解雇となりえます。
(影山 正伸/社会保険労務士)