就活解禁「3月」に繰り下げ、昨年の状況との比較
就活解禁が「3月」に繰り下げられた今、どのような変化が起きているでしょうか。昨年であれば、12月に入り就活が活発に行われている時期です。
簡単に以前の状態を振り返ってみます。12月に就活解禁となると上場企業や大手企業は採用活動をはじめ、ゴールデンウィークまでにある程度、目途をつけていたところが多くありました。そして、5~6月以降に中小企業が採用活動を本格化させる、といった状況でした。
今年は当たり前といえばそれまでですが、その動きはありません。しかし、就活解禁が3月となった学生は、3年生の後期試験まで学業に専念できるのかというと、決してそう上手くいく話ではないようです。
インターンシップの情報は昨年より充実。ここから推測できること
紛らわしい動きの一つが、夏・秋・冬と行われるインターンシップの在り方です。インターンシップは、就業体験的な意味合いもあり、社会や仕事、働く意味を体感できることは学生にとっても有意義なことです。しかし、大手就職情報サイトを見ると、インターンシップの情報は昨年より充実しています。このことから考えると、特に大きな企業は、優秀な人材と早く接触したいため、あの手この手を考えているだろうと推測できます。また、このような情報が氾濫する中、学生が「興味を持っている企業と接触した方が良いのではないだろうか」と考えるのは自然なことでしょう。
本来、解禁の繰り下げについて、学生が学業に専念できる期間を増やすことが理由でした。しかし、3か月間の就職活動繰り下げとなった現在も、根本は何も解決していないのでは、と感じてしまいます。ただ、見た目には「就職活動が本格化していない」ということだけです。
自分らしさを磨く努力を。仕事は、人の魅力についてくる
学生は不安になればなるほど、情報に振り回されます。そうならないためには、学生であっても社会人としての自覚を意識し、どんな企業があって、どんな仕事があるのだろうと日頃から興味や関心を持つことが必要です。
ノウハウやスキル、知識を身につけるのは仕事に興味を持ってからで十分です。「働くとは何だろう?」「どのような社会人になりたいと自分で思っているのだろう?」と、このような問いに向き合って、自分なりの答えを何度でも出して書き換えていくのが自分らしさを知り、保ち、磨く秘訣です。働く条件を考えるのではなく、本質を問うて出てくる自分らしさこそが、これから社会で働く力になります。自分の哲学を持つのも良いと思います。仕事は、人の魅力についてくるものなのです。
(木村 文俊/大学生塾 理事長)