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神奈川から広がる「未病」を治す健康管理

JIJICO 2014年12月23日 12時0分

神奈川県、商標登録「ME-BYO」を広めてもらう制度を開始

今年1月、健康寿命日本一を目指す神奈川県が「未病を治すかながわ宣言」を発表して以来、にわかに「ME-BYO(未病)」という言葉に注目が集まっています。

「ME-BYO」は新たな概念として特許庁に商標申請し、6月に認められていました。そして、このたび、神奈川県は、企業の宣伝などで商標登録「ME-BYO」の使用を認め、広めてもらう制度を始めたそうです。

未病という言葉は、そもそもは中国の古典書物「黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)」という書物の中に登場し、「聖人は未病を治す」と書かれています。これは、簡単に表現すると、予防の大切さを伝えている言葉です。日本では、かの貝原益軒の「養生訓」に登場しています。

未病の考えでは、細かい症状も放置しておくと大きな病気に

■「不快な症状はあるが、検査値異常がない」症状タイプ
(1)身体的な不調:疲れやすい、体がだるい、冷え性、朝起きるのが辛い、食欲不振、めまい、耳鳴り、たちくらみ、動悸、息切れ、発汗、のぼせ、悪寒、生理不順など
(2)精神的な不調:不眠、イライラ、集中力低下、無気力、物忘れ、性欲減退など
(3)痛みなどの不調:頭痛、頭重、腰痛、肩こり、関節痛、便秘、下痢・軟便、目の疲れ、胃の痛み、生理痛など

症状タイプは、荒っぽい言い方をすれば、痛みなど不快な症状があっても、病院で検査をしても重大は異常が見つかりません。また、その症状自体で命に関わるような疾患ではないために、ついつい放置してしまい、その場を対症療法の薬でしのげれば良いと考えがちです。

実はそこがポイントで、未病の考えでは、このような細かい症状も放置しておくと大きな病気につながるため、早めに原因(なぜそのような症状が現れるのか)を突き止め、改善していくことが大切とされています。

数値異常の原因となった生活習慣を改善しないと恐ろしいことにも

■「気になる不調は特にないけれど、検査では異常がある」検査値異常タイプ
高血糖、高血圧、脂質異常、肥満、肝機能障害、貧血、眼圧異常など

痛みや不快な症状がないだけ楽に感じますが、怖いのはこちらのタイプです。「メタボリック三重奏」といわれている「高血圧・高脂血症・糖尿病」などが代表ですが、これらの恐ろしいところは、はじめは痛くも痒くもないけれど、真綿で首をしめるようにじわじわと体を蝕み、自覚症状が現れたら最後、大きな疾患(脳梗塞・心筋梗塞など)となり長期の治療を余儀なくされたり、下手をすると命を落としたり、寝たきりになったりしてしまう可能性が高いのです。

また、これらの疾患は薬を服用することで検査数値が下がることが多いため「自分は治った」と勘違いをしてしまい、数値異常の原因となった生活習慣をまったく改善しない人が多くいることも問題点です。

「百の治療より一つの予防」。「未病を治す」の実践を

国も今までの「治療重視」型の医療から、病人を増やさない「予防」にやっと力を入れてきました。病気になってしまうと回復するのは大変です。

「百の治療より一つの予防」という言葉もあります。仕事においても家庭においても責任のある人こそ、健康管理をしっかりと行い、「未病を治す」を実践していきましょう。

(早川 弘太/健康コンサルタント)

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