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飲み会で注意したい部下との接し方

JIJICO 2014年12月24日 12時0分

職場の上司部下の力関係を利用してはいけない

年末年始は職場での飲み会が増えるシーズンです。折角の楽しい機会ですから、昨今話題に上ることが多い「パワハラ」「セクハラ」などにつながる言動や行動には十分に注意する必要があります。そこで、特に上司として部下に接する際の注意すべきポイントを簡単に紹介します。

昔は、職場で上司からの酒の誘いは断れないものでした。しかしながら、今はそうではありません。職場での付き合いよりも、プライベートな時間を大切にする人がいることに理解を示さなくてはなりません。部下が自ら行きたいと思えるような飲み会の雰囲気づくりを心掛けることが大切です。

職場でなくても飲み会の場では、上司部下の力関係は残ったままです。職場から離れているのにもかかわらず、その力関係を利用してはいけません。また、アルコールの影響で、普段よりも強すぎる言葉になってしまう恐れもあります。指導を受ける部下も、既にアルコールが入っている場合は指導内容を覚えておらず、不快な感情だけが残ることがあります。指導は日中、会議室など個室に呼び、行動に対して淡々と行いましょう。

「聴く」を8割、「喋る」を2割

また、上司が自身の体験談を話すこともあると思いますが、現在、多くの部下は残念ながらそのような話を聞きたがりません。職場における公式の飲み会は、あくまでも上司としては今後の人間関係を円滑にする機会と考え、「聴く」を8割、「喋る」を2割ぐらいのつもりで臨みましょう(酒が入れば人はより話しがちになるので、これくらいの割合が丁度良いです)。

当たり前のことかもしれませんが、飲酒運転は厳禁です。その場ですぐに運転しないとしても、飲み会の会場から遠く離れた最寄り駅から車というパターンは見逃しがちなので、上司としては注意が必要です。

会社以外のコミュニティーを構築することが精神安定の秘訣

アルコールの影響で、普段は話さないことをうっかり話してしまう人がいます。例えば、職場で上司として知り得た部下のプライベートな悩み相談や、業務上の機密情報を暴露してしまう人がいます。飲み会の席とはいえ、このような行動は部下からの信頼を損ないます。ビジネスパーソンとして不適格なだけでなく、人としての人格も疑われてしまいます。

上司という立場にある人にとっては、このようなポイントばかり気を遣っていては、飲み会という場を楽しく過ごせないのかもしれません。もちろん、職場以外のコミュニティーの人と個人で飲みに行くときは、このような気遣いは不要です。しかし、多くの管理職世代が会社以外のコミュニティーに所属していません。結果的に会社以外のコミュニティーを構築することが、上司として精神安定を保つ秘訣なのかもしれません。

(植田 健太/臨床心理士・社会保険労務士)

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