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間違いだらけの初詣、神様・仏様に失礼のない作法

JIJICO 2014年12月31日 18時0分

身だしなみを整えてから鳥居や山門をくぐり、端を歩く

お正月に初めて神社や寺院に参詣し、その一年の幸せを祈願する「初詣」。知らずに間違っていることが多くあります。あなたは大丈夫ですか?

まず、神社の鳥居は神様が降臨する神域と、私たちが住む俗世界とを区別する目印です。寺院の山門(さんもん)も同じです。帽子やマフラー、手袋、コートなどを脱ぎ、身だしなみを整えてから鳥居や山門をくぐります。参拝者が多く混み合っているときは、せめて帽子、マフラー、手袋は脱ぎましょう。鳥居や山門では、敬意を込めて一礼をして立ち入りましょう。また、帰る時も振り返って会釈をします。

そして、「神様の正面を歩くのが気分が良い」と言って、参道の中央を歩く人がいますが、それはタブーです。中央は神様の通り道(正中/せいちゅう)のため、端を歩くようにしましょう。ちなみに伊勢神宮は右側通行です。

神社や寺院の手水舎、正しい作法

私たちは、日常生活の中で多くの「けがれ」を負っています。そのために、さらに禊(みそぎ)をして「けがれ」を祓(はら)うのが手水舎(ちょうずや)です。神社や寺院の手水舎では、下記の作法に従い、身を清めましょう。

(1)右手に柄杓を持ち、たっぷりと水を汲む。
(2)そのまま右手で柄杓を持って、左手に水を注ぐ。
(3)柄杓を左手に持ち替え、右手に水を注ぐ。
(4)再び柄杓を右手に持ち替え、左手の手の平に水を注ぎ、その水を口に含み清める。
(5)柄杓をまっすぐに立て、手前に倒しながら残った水で柄杓の柄を清める。
(6)柄杓を伏せて元に戻す
※(1)~(6)までを柄杓一杯の水で行います。

神社と寺院で異なるお参りの作法

そして、神社と寺院でのお参りの作法は、異なります。まず、賽銭箱前で鈴を鳴らし、賽銭を投げ入れます。鈴を鳴らす意味は、参拝に来たことを神様に知らせることや、鈴の音の心霊の力で「けがれ」を祓い清めるためです。お賽銭は、金額が高ければ高いほど、ご利益があるというものではありません。お賽銭の本来の意味は「いただいた幸せに感謝する」「自分のけがれを祓ってもらい、清らかになる」などです。

神社では、二礼、二拍手、一礼をします(出雲大社は、二礼四拍手一礼)。寺院では、一礼、合掌、祀(まつ)られている仏様の名前や宗旨によってのお念仏やお題目などを唱えてから祈願、一礼します。

喪中であっても、寺院への初詣はタブーではない

また、現代では、2親等までの親族が亡くなって1年間は喪中です。喪中の初詣は、「死」をどのように考えるかがポイント。神社の場合、「死」は不浄なもの忌み嫌うものとし「けがれ」と考えます。仏教の場合、「死」は「けがれ」ではありません。よって、喪中であっても、寺院への初詣はタブーではありません。しかし、「死」を「けがれ」と考える神社では、鳥居をくぐらなくても初詣はタブー。ただし、50日祭の忌中を終えれば良いとされる神社もあります。神社へ事前に確認すると良いでしょう。

そして、おせち料理をいただいてから、お祝いをするのは良いですが、ニンニク料理など臭いがキツい食べ物はタブー。お酒を飲んで酔っ払っての初詣もタブーです。ただし、邪気を祓い無病息災を願って飲むお祝いの屠蘇(とそ)酒や、神様からのお下がりであるお神酒(みき)を少しいただくのは構いません。

このような神社・寺院のそれぞれの意味、いわれを知ることにより間違った参拝をすることはなくなるでしょう。これで神様、仏様に失礼のない、正しい初詣ができます。

(田野 直美/マナー講師)

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