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転職で後悔しないために。活動前に自問自答を

JIJICO 2015年10月29日 15時0分

なぜ、転職するのか?

転職市場が活況です。少し前から「転職ブーム」と言っても過言ではないでしょう。この流れに乗って、転職を考える人も少なくないかもしれません。しかし、そもそも「なぜ、転職するのか?」ということを考え抜きましょう。

キャリア形成の一環として転職を選択されるケースが多いですが、すべての人がそうだとは限りません。「職場の人間関係がうまくいっていなくて心機一転を図りたい」あるいは「転勤を命じられたが、家族から反対を受けて住居を変えたくない」といった理由で転職を考える人も珍しくないでしょう。

転職の動機は何であってもかまいませんが、大切なのは、転職の理由と新しい職場に求めていることを明確にすることです。それを満たしてくれる会社が、自分にとって「良い会社」といえます。

転職の目的や得意分野をしっかりと把握してから転職活動を始める

転職動機があやふやだと、会社選びの基準が定まっていないため、転職に失敗する危険性が高くなります。また、転職の目的がはっきりしていないと、自身の心がぶれてしまい、応募書類の書き方や面接にも大きく影響してきます。

成功する転職とは、転職の目的を果たすことができて、あなたのキャリア形成に取り組むことのできる企業や市場に対して、あなた自身の価値を提供することです。したがって、転職の目的やあなた自身の得意分野をしっかりと把握してから転職活動を始めても遅すぎることはありません。

例えば、転職理由が「現企業の待遇に不満」という場合、以下のように、自問自答を繰り返してみてください。

「なぜ、今の仕事・会社での給料が低いと思うのか?」
「逆に高い給料なら、どんな仕事・会社でも良いのか?」

そうすることで、自分の目指したい方向性が具体的に見えてくるようになります。そして、転職したいと思う本質的な理由や志望動機を、きちんと明らかにすることができます。

条件の優先度を確立し、失うものの認識を

また、100%希望をかなえる会社、満足できる会社はあるでしょうか?私の経験上、あらゆることに満足を与える会社などは残念ながら存在しません。企業の成長の初期段階にあるのか、成熟期にあるのか、また、規模の大きさ、資本形態、業態などによって企業文化、賃金水準、仕事内容、福利厚生なども大きく異なります。

転職を決断するときに重要なことは、条件の優先度をしっかりと確立しておくことです。そして、その優先度に従うことにより、失うものを認識しておくことも必要です。

例えば、待遇だったり、仕事内容だったりと自分の優先すべきポイントをリストアップして順位をつけておきます。大企業から中小企業に転職したとすると、大企業時代の手厚い福利厚生は受けられないかもしれません。しかし、仕事のやりがいを重視して決めた職場であるなら、福利厚生が充実していなくても問題はないでしょう。

あらかじめ優先順位をつけて紙などに書き残しておくことで、後々問題がすり替わって「転職しなければ良かった」ということにはなりにくくなります。

(棚田 浩史/人材コンサルタント)

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