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うつ病の前兆?「冬季うつ」を防ぐには

JIJICO 2015年1月21日 15時0分

秋から冬にかけてのみ「うつ症状」が出る「冬季うつ」

「冬季うつ」とは、秋から冬にかけてのみ出る「うつ症状」のことです。主に、無気力、だるさ、睡眠過多、不眠、過食など。冬になると「長時間、寝るようになる」「何もやる気が出ない」「ご飯を食べる量が異常に増える」「甘いものを食べ過ぎる」といった症状があるなら、冬季うつのサイン。

本格的なうつ病のように症状はひどくはなく、3月~4月になると良くなって、春や夏は元気に活動しているケースがほとんどです。そのため、冬季うつとは知らず、秋になると「春になるまでひきこもります」「春まで冬眠するので会えません」などと冗談っぽく話している人がいますが、うつ病になりやすい傾向にあると言えますので、症状が春になっても続く場合は気をつけた方が良いでしょう。

日照時間が短い地域や日当たりが悪く薄暗い部屋で暮らす人に多い

うつ病は、脳の中でセロトニンが分泌されなくなって発症する病気です。冬季うつも、同じような経緯で発症すると考えられています。北欧や北海道、東北のように日照時間が短い地域や、日当たりが悪く薄暗い部屋で暮らす人は、冬季うつになる人が多いといわれています。

人間は、光を浴びることでセロトニンがつくられ元気に活動できます。そして、夜になると眠気を引き起こすホルモンのメラトニンが分泌されるという一日のリズムがつくられます。セロトニンが不足すると、このリズムが崩れ、うつ的症状が出やすくなります。

光を浴びるのと同時に大切なことは運動で筋肉をつくること

冬季うつの予防としては、昼間はなるべく日光を浴びる、または照明を点けて明るくしておくことです。夜は電気を消して眠る、TVや携帯・スマホなどの光を夜遅くまで見ない、といった注意も必要です。

また、光を浴びるのと同時に大切なことは、運動などで体を動かし筋肉をつくりながら血液の流れをよくすることです。最近の研究では、運動する人たちの筋肉には、ストレスの解毒作用があることがわかってきています。ウォーキングやジョギング、掃除、腹式呼吸、ヨガ、ストレッチ、その場飛びなど、自分に合ったものをできる範囲でやってみましょう。

体を動かすことで物事を乗り越える体力や知力を養う

最後に、心理的な話をしておきます。うつ病は、仕事や人間関係に疲れて楽になりたい気持ちや、自分の能力や体力の限界を感じてしまい目の前のことから避けたいという思いから発症することが多々あります。

冬季うつも同じです。春や夏には非常に活動的なのに、冬季うつになりやすい人は、厳しい寒さなどから楽になりたいと考えているのかもしれません。楽になることを考えるよりも、体を動かすことで物事を乗り越える体力や知力を養い、うつになることを防いでいきたいものです。

(安藤 はま子/心理カウンセラー)

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