「義理チョコ」は減少傾向に。「自分用」を求める女子が増加
今年もバレンタインデーが近づいてきました。あちらこちらで、チョコレートを中心にバレンタイン商戦が活発です。最近は、オフィスなどで配る「義理チョコ」は減少傾向にあり、「自分用」を求める女子たちが多くなってきているようです。今年は2月14日が土曜日のため、なおさら「義理チョコ」の需要は減り、本命用、自分用のニーズが高くなりそうだとの見方が有力です。
プランタン銀座の昨年12月の調査では、女性がチョコにかける予算で最も多かったのが「自分用」で平均3,954円。続いて「本命用」3,300円、「義理」1,267円だったそうです。
女子たちは「自分を愛すること」に目覚めてきた
バレンタインチョコを「自分用」に買いたいと思っている女子たちの心にあるのは「実は、有名ショコラティエのチョコやブランドチョコを自分にあげたかった」という潜在的な思いです。恋人や好きな人に、質もデザインも良いチョコを贈ってきた人たちは、次第に、それを本当に欲しているのは自分自身なのだと気がついたのです。
多くの男性は、女性に比べて甘いチョコレートをそこまで好きではない傾向にあります。高いものを贈っても、男性たちはチョコレートの味も見た目の美しさも、女性ほどにはあまりよくわかりません。よくわからない人に高級チョコを贈るより、本当にチョコが好きで、心から喜べる自分に向けて買った方が、楽しくて満足感を覚えます。また「自分は良いものがわかる、価値のわかる人間だ」と自信にもつながっていきます。
これは、自分の気持ちを大切にしたい、豊かにしたいということの表れです。こうして女子たちは「自分を愛すること」に目覚めてきたのです。
「本命チョコ」は健在。自分を愛することを知った女子たちに期待
「義理チョコ」が減ってきている理由は、贈ることによる変化や効果が見られないということが大きいかと思います。人間は、何かをするときに、変化や効果が見られないと、やる気が失せて止めていくことが多いものです。「義理チョコ」は贈る方も贈られる方も気を遣う割に、人間関係にそれほどの変化があるわけでもない、といったことが徐々にわかってきたのかもしれません。
始まりは、コミュニケーションの手段として、また、普段の思いを伝えるためのバレンタインチョコでした。それが、時とともに、相手を喜ばせるためではなく、自分を喜ばせるためのチョコになりつつあるようです。
それでも「本命チョコ」は、いまだに健在です。自分を愛することを知った女子たちは、豊かな気持ちで、次は、周りの人たちへ真の愛情を伝えられるのではないでしょうか。
(安藤 はま子/心理カウンセラー)