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本人確認はスマホでOK「電子納税」は広まるか?

JIJICO 2015年2月13日 11時0分

2017年からインターネットによる納税手続きをしやすく

報道によれば、政府は2017年からインターネットによる納税手続きをしやすくするとのことです。具体的には、現在、電子申告・納税システムを利用するには、本人確認のための機器を利用者自身で準備しなければなりませんが、携帯電話でできるようになります。住宅ローン減税などの申請に必要な書類も紙での提出が不要になり、自宅で手続きが完結するそうです。

このような施策で電子納税の普及は期待できるのでしょうか。

手間やコストがなければ利用率はもっと上がる?改正の趣旨

電子申告・納税システムは通称「e-tax」と呼ばれ、2004年から運用が始まりました。今、所得税の確定申告の中で、全体の51.8%が利用しているそうです。行政サイドが電子化を進めるのは、税務署の事務作業などの徴収コスト削減が主な理由のようです。

平均年齢が高いといわれる税理士業界ですが、最近ではIT化に対応している税理士事務所も増えてきました。個人で商売をしている人のように、税理士に確定申告書の作成を依頼している場合は、税理士が納税者に代わって確定申告書の代理送信をしています。この場合、税理士がe-taxシステムを利用するための電子証明書や電子証明書を読み込むためのカードリーダーを準備しているため、納税者は自分で用意する必要はありません。

一方で、税理士に依頼しなくても、医療費の控除を受けるためや、FXやアフィリエイト、副業の収入がある人など自身で確定申告をしている人もいます。そのような人が、税務署や金融機関に行くのが面倒だからということで、e-taxシステムを利用して確定申告や納税をしようと思えば、自身で住基カードを取得したりカードリーダーを購入する必要があります。そこで、この手間やコストがなければe-taxシステムの利用率はもっと上がるのではないか、というのが今回の改正の趣旨です。

銀行に納付書と現金を持って行く方がむしろ早いかも

さて、実際のところ、年に一度、国税庁のサイトにアクセスして、思い出しながらシステムを操作するのは、なかなか労力のかかる作業です。税法自体は大きく変わらなくても、サイトの作りが毎年変わると、あれこれ迷いながら操作をすることになります。また、紙の提出は不要となるようですが、代わりにPDF ファイルによる提出を要するということで、カードリーダーの代わりにスキャナーが必要となるかもしれません。

私が思うに、パソコンが得意な人は別として、手間暇を考えると銀行に納付書と現金を持って行く方がむしろ早いかもしれません。

(西谷 俊広/公認会計士)

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