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ママの社会復帰、ブランクを乗り越える備え

JIJICO 2015年6月19日 16時0分

再就職する女性が増えるも、立ちふさがるブランクの壁

日本では、女性が出産・育児時期に仕事を離れるために女性の労働力率がその年代だけ落ち込む「M字カーブ」を描くことで知られていますが、そのM字カーブは年々緩やかになっています。それは、育児休暇取得し出産後に復帰する人や、数年後に再就職する人が増えているからです。しかし、仕事復帰時に両立に慣れるまでに長くかかったり、家庭の事情で短期間で退職してしまうケースも少なくありません。

そこで今回は、出産・育児などで仕事を辞めた女性が、ブランクを経て仕事復帰する際に準備しておきたい注意点をまとめてみます。

働き出せば生活が変わる。どう応援してほしいのか家族に伝える

「仕事復帰を応援するよ」と言ってくれる家族が「何をどう応援する」と考えているのか、聞いたことがありますか?実は「心の中で応援する」という意味で、妻や母としてこれまで通り育児や家事を全面的にお願いするつもりである場合も多いのです。そのため、実際に働き始めた時に、今まで通りに家事や育児ができていないことに対して、夫や子どもが戸惑い、働くことを反対することもあります。

働き出すと、生活が変わることを繰り返し伝え、どのように応援してほしいのか、例えば「保育園のお迎えを週に●日はお願いしたい」など、具体的に話しておく必要があります。

仕事復帰前から「働きながら育児・家事」の生活スタイルに

仕事が始まってからではなく、仕事復帰前から「働きながら育児・家事」の生活スタイルに変えておきましょう。まずは、働き出しても家事や育児が回るようにスケジューリングをします。次に、家事の時短化、子どもが自分の身のまわりのことができるように習慣化に着手。そして、いざという時の子どもの預け先を確保し、夫や親などサポートしてくれる人へ子どもの送迎法を共有しておきましょう。

仕事始めは、業務を覚えるだけでなく、人間関係や通勤などの環境の変化に体も心も疲れるものです。家のことは無理せず回せるように今からシュミレーションしておいて、仕事に集中できる体制づくりをしておきましょう。

ママからビジネスパーソンへ。スキルと心構えを身につける

「生活感がありすぎる」「子どもがいるからと急な休みが多い」などは職場での印象を悪くします。服や靴、バックなどは職場でも使えるものに徐々に変えていきましょう。

また、職場では正社員、パートなど就業形態に関わらず「組織の一員」としての責任が発生しますし、ブランクがあるからといって特別扱いされるわけではありません。ブランクがあるからこそ、早く職場に慣れるように自分で準備をしておくことが必要です。「業界や職種の情報収集を行う」「語学やPCスキルなどの専門スキルをブラッシュアップする」「ハローワークや自治体主催の再就職セミナーに参加する」などして、スキルと心構えの両方を身につけておきましょう。

ブランクがあれば、ギャップは誰にでも起きると割り切る

働き出してから一年間ほどは、社会に役立つことへの喜びと同時に、ショックを受けることもあるかもしれません。自分が思っていた以上に仕事を覚えるまでに時間がかかったり、仕事疲れが取れにくいなど、予想外の自分の姿に自分自身が戸惑うことがあるのです。

しかし、働き続けている人が転職した場合にでも、そのようなギャップは起こります。誰にでもあることと割り切って、前向きに進んでいきましょう。

(島谷 美奈子/キャリアカウンセラー)

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