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主婦らの国民年金未納を「救済」不整合期間発生の原因

JIJICO 2015年2月21日 15時0分

特例追納の救済制度が3年間に限って実施

年金の第3号被保険者で、不整合期間のある人の特例追納の救済制度が、平成27年4月1日から3年間に限って実施されます。それ以前にも、救済制度として平成25年7月1日から特定期間該当届を提出することにより、未納となってしまった期間を年金を受け取るための受給資格期間にする(特定期間化)ことができるようになっています。

本来は2年以内の期間までしかさかのぼれなかったのが、今回の救済により、さかのぼって最大10年分の保険料を納付することができるようになり、年金額を増やすことが可能になるのです。

特例追納をしない場合は、将来的に影響が出る

特定期間化だけで特例追納をしない場合は、直ちに大きな影響はないものの、将来的に出てきます。平成30年3月分までの老齢基礎年金の年金額は訂正前の金額となりますが、平成30年4月分以降は訂正後の記録に基づいた額となるからです。したがって、不整合期間が長いと大きな影響を受けることになります。ただし、それでは生活に大きな支障が出かねないため、訂正後の年金額が訂正前の年金額の90%を下回れば、90%までしか減額されません。

障害年金や遺族年金についても特定期間化することにより、受給資格期間に算入されるようになりますが、その効果は届出した日に発生します。よって、初診日や死亡日の後に届出をしても受給資格期間に含めることができません。手続き漏れの判明時期により受給資格期間を満たすことができる特例措置があるので、日本年金機構に確認が必要です。

第3号被保険者の年金記録のずさんな管理が主な原因

なぜ、このような不整合期間が発生したのでしょうか?サラリーマンの夫(または妻)に扶養される妻(または夫)は年金制度では第3号被保険者となり、年金保険料や健康保険料を負担する必要がなくなります。

しかし、サラリーマンの夫が退職した場合、65歳を超えた場合、死亡した場合、自営業を始めた場合、夫と離婚した場合、妻の収入が増え健康保険の扶養から外れた場合、第1号被保険者への切り替えの手続きが必要ですが、国民健康保険の手続きが年金も兼ねていると思い込んでいたり、そもそも知らなかったといったことなどが挙げられます。ただ、第3号被保険者の年金記録のずさんな管理が主な原因といえるでしょう。

年金制度は誰にとっても公平であるべきで、本来であれば手続き漏れの期間については未納であり年金額も減額されるはずです。きちんと納付するべき期間を納付してきた人にとっては不公平感が残ります。必要な手続きについては日頃から国民に周知しておくべきでしょう。

(松本 明親/社会保険労務士)

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