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「ライブに子連れ」はあり?なし? 求められる共存意識

JIJICO 2015年2月25日 12時35分

「子どもをライブ会場に連れていく」の声にさまざまな反響が

満員電車に、小さな子どもを連れた家族が乗ってきたらどう思うでしょうか。気になって仕方がないけれど、どうすることもできません。マナー違反かどうかはっきりしていないため、居心地の悪さを経験した人もいることでしょう。

・乳幼児を連れての満員電車
・子どもを連れての居酒屋
・ベビーカーでの並列歩き

上記のようなことは、子連れのマナーとしてよく争点となったりします。また、「ライブに行ったときに子連れ夫婦がとても気になり、子連れでライブは、ありなのか?」といった記事には、下記のような反響があったそうです。

「大きな音が子どもの健康に悪影響だから連れていくべきじゃない」(40代女性)
「子どもにはいろんな体験をさせるべきだから、ありでしょ」(30代男性)
「大人の空間に赤ちゃんはマナー違反では?」(50代男性)

人間にはパーソナルスペース・縄張り感覚がある

駅に「ストップ暴力」などというポスターが張ってあるように、鉄道では駅員や乗客同士の暴力事件などがしばしば起きて問題視されることがあります。人間には、パーソナルスペースというものがあります。簡単に言えば縄張り空間です。自分に近ければ近いほど、親しき者以外がその範囲に入ってくることに不快感を抱きます。満員電車やエレベーターで、人々が視線を上に向けるのは、少しでも視線を遠くすることでストレスを減らそうとするための反応です。

つまり、人々がひしめき合っているような空間というのは、「ストレス」が充満している空間とも言えるのです。ましてや、人々が熱狂する競技場やライブ会場などでは脳にアドレナリンが分泌して、興奮しやすい状態になります。

子どもは、不安や悲しみ、怒りなど大人の表情を受け取る

人間は、二足歩行になったことで骨盤が狭くなりました。ゆえに非常に早産の動物なのです。そんな乳幼児にとって母親は「安全基地」なのです。1歳程度の子どもであっても、母親の表情から強く影響を受けます。子どもが信頼している大人たちが、不安や悲しみ、怒りなどの表情を見せれば、子どもはそれをそのまま受け取ってしまいます。

互いが自己中心的であるならば、他者は「戦う相手」「競う相手」にしかなりません。先に述べたように、早産の赤ん坊を人間は太古から群れで育ててきた動物です。「子連れでライブ会場へ」との議論についても、自分の都合より、互いを「共存する仲間」として尊重する相手と見たならば、マナーという問題への回答が見つかるかもしれません。

(青柳 雅也/心理カウンセラー)

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