重要なのは最初の場面で相手をつかむイメージ作り
2016年に卒業予定の大学生の就職活動が、3月1日に解禁されます。昨年までと比べ、秋の内定式までの期間は実質7か月程度。面接開始から内定までは短期決戦が予想されます。このような状況で、希望する企業からの内定をいち早く獲得するために不可欠なのが「イメージ戦略」です。
今では広く知られていますが、イメージの93%は、「見た目」と「声・話し方」によるものです。有利なイメージを与える見た目づくり、声・話し方の調節が、面接における鍵になることは間違いありません。実際、ある企業の人事担当者から聞いたところ、最終面接まで残る顔ぶれを見ると、ほとんどが一次面接で「この人、いいな」と思った学生だそうです。
一般的な「イメージ戦略」では、自分の個性や長所を売り込むためのイメージづくりを考えます。しかし、就職活動時には、選考を生き残っていくことが優先されるべきです。そのためには、「企業が望むイメージ」を意識しましょう。企業側に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらう。これが大事です。
イメージキーワードは「らしさ」「若さ」「柔軟さ」
イメージづくりのキーワードになるのは「らしさ」「若さ」「柔軟さ」です。それぞれについて、詳しく見ていきます。
(1)らしさ
「学生らしさ」「就活生らしさ」は、好感を持たれる要素です。「らしさ」のある人は、謙虚で節度ある振る舞いができる人と判断されるからです。企業は利益を追求する集団です。そこに迎える新入社員は、「社会人らしさ」を身に付け、後々は会社利益に貢献できる人であってほしいと願うのは当然です。就活生らしい身だしなみ、ビジネスマナーにかなった言葉遣いや話し方で、そのイメージを演出します。
(2)若さ
「若さ」は清潔感にも通じます。優秀なビジネスマンが最も重視するイメージは、清潔感です。清潔感のある身だしなみは、就活生にとって最低条件と心得ましょう。また、「若さ」は希望に満ちあふれたやる気を表します。生き生きとした表情や輝く目、積極的にハキハキと答える態度は「若さ」を印象づけますが、度を超すと思慮に欠けた生意気なイメージに転じることもあるので注意が必要です。
(3)柔軟さ
企業で働くためには、組織の一員として上手くコミュニケーションを取れなくてはいけません。そこで求められるのが「柔軟さ」です。「周囲に対し敬意を持って接することができ、人の話をしっかりと聞くことができる」「どんな状況でも焦ることなく、前向きに取り組むことができる」というようなイメージを与えるには、アイコンタクトや笑顔、丁寧な話し方が役立ちます。
企業が望むイメージを与えられる人が就活で勝つ
脳科学者の茂木健一郎氏は著書「化粧する脳」で、「化粧によって人間は外見を美しくするだけではない。内面をも変えることができるのである」と書いています。
「見た目」や「振る舞い方」を工夫し調節することは、相手に与えるイメージをプロデュースすることです。そして、外見を整えることで中身がそれにふさわしくなっていくのです。これから始まる本格的な就職活動は、社会人になるための準備期間です。イメージ戦略を取り入れて、内定という勝利を手に入れることができるよう祈っています。
(城戸 景子/イメージコンサルタント・マナー講師)