自宅の一室をサロンにして教室を開く「サロネーゼ」
「好きで始めた趣味や、取った資格を生かして起業する」「子どもが小さいため、家でできる仕事をしたい」などの理由で、自宅の一室をサロンにして教室を開く「サロネーゼ」と呼ばれるワークスタイルを選ぶ女性が増えています。
料理、お菓子作り、フラワーアレンジメント、クラフト、ハウスキーピングなど、さまざまな種類のレッスンがあり、人気のサロネーゼの先生は「予約が数カ月待ち」という状態もあるようです。こうした時流から、「私もサロネーゼになって活躍したい」と願う女性も少なくありません。
サロンを成功させるためには、自分のファンづくりを
では、これからサロネーゼとして起業し、順調な道のりを歩くためにはどんなことが必要でしょうか。資格を取得し、自宅で教室を始める場合に一番大切なのは「知ってもらうこと」です。サロンを始めたことを、どのように告知していくのかを考えましょう。まずは、友人や知人などにどんどん知らせていきましょう。
ブログやフェイスブックで情報発信をするのも効果的です。視覚的な情報は受け入れられやすく、文章だけでなく花やクラフト、料理などの作品の画像を載せましょう。教室の雰囲気が伝わるレッスン風景も忘れてはいけません。
情報発信を続けていると、あなたのブログを見た人の中に「この先生、いいな」「こんな作品を作ってみたいな」と思う人が出てきます。そうしたあなたのファンの中から、サロンを訪れる人が現れます。しかし、ファンになっても実際に申し込みをするのは勇気が必要です。また、多くの人は同業のサロンと見比べ、教室を選んでいます。ファンになった人が、サロンを訪れるきっかけになるような体験レッスンをメニューに入れておきましょう。
華美なもてなしが成功につながるわけではない
サロネーゼのホームページやブログを見ていると、豪華なインテリアや有名店のケーキなど、華やかなところが目につき、「自分もこのようにしなければならないのか」と思ってしまうことがあります。
しかし、大切なのは人まねではなく、あなたのスタイルのサロンをつくっていくことです。たとえば子どもが小さい場合、子どもの生活に合わせたレッスン時間を設定する。部屋に制約がある場合は、無理のない範囲で生徒に心地よく過ごしてもらえるように工夫をするなど。
おもてなしに費用がかかりすぎ、赤字になってしまうことのないように気をつけましょう。先生の人柄や価値観が反映されたサロンに共感し、生徒は集まります。華美なおもてなしが、サロンの成功につながるとは限りません。
出し惜しみをしない先生の姿勢が、レッスンの付加価値に
せっかくレッスンに来てもらっても、「一回きり」という人ばかりではサロンの経営は成り立ちません。「また来たい、もっと知りたい」という生徒さんを増やすことが大事です。
それには、出し惜しみをしないことが大切です。「足りないからもっと知りたい」ではなく、「学んで楽しかった。ますます興味がわいたのでもっと知りたい」といった満足感や探究心が、継続や口コミにつながります。
知識やスキル、テクニックに加え、サロンにいるだけで感じられる先生のライフスタイルなど、伝えられることはすべて伝えていきましょう。出し惜しみをしない先生の姿勢が、レッスンの付加価値となるのです。
(芦田 よしえ/イメージコンサルタント)