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大学を全世代向けに「生涯学習社会」構築のカギを握るもの

JIJICO 2015年3月19日 13時0分

教育再生実行会議が「全世代向けのカリキュラムへの転換」を提言

教育再生実行会議が、大学などに対して「現行の若者中心から全世代向けのカリキュラムへの転換」を求める提言を、安倍晋三首相に提出することがわかりました。

提言では、生涯を通して活躍していくためには高校や大学までの知識では不十分と指摘し、社会人になった後も大学で学び続けていく必要性が強調されています。「すべての人が生涯学び続けられる社会を目指す」というものは以前からありましたが、具体的な指針が示されたことが特筆されます。

背景として、少子化による大学全入時代を迎えて、既存大学の生き残りと大学の存在意義が、問われる時代になったとも言えるでしょう。

時間や費用、卒業後の就職などを疑問視する意見が多数

提言に盛り込まれる主な点として、

•大学で社会人向けコースを充実させる
•24時間学べるようにスマートフォンでも視聴できる授業を開設
•女性の職場復帰や再就職支援
•休学や在籍期間の弾力的な運用
•高齢者が大学の近くに住んで、生涯学習に取り組んだりや若者と交流したりする

など、全員参加型社会の実現を目指し、女性や高齢者の活躍支援も明記されています。

そして、この提言を受けて、さまざまな反響が寄せられています。

•「諦めていた大学で学べる夢がかなう」
•「社会に出て、必要性を感じた勉強をしたい」
•「休職や時短勤務も普及してほしい」
・「学費が安くならないと厳しい」
•「中途採用の枠を広げてほしい」

積極的な意見や賞賛の声がある一方で、時間や費用、卒業後の就職などに対する不安を述べて「実際にはどれだけの人が行くことができるのか」と疑問視する意見が多数みられました。

eラーニングなどを利用した指導スタイルに大幅に改善すべき

国際社会で目まぐるしく状況が変化する中、生涯を通して活躍していくためには、社会人になった後も、大学や専修学校で、新たな知識や技術を学び続け、実社会に生かしていくことは、もちろん重要です。

提言により「国民全体の人間力の向上」ともいえる学習のチャンスが広がり、さまざまなジャンルの教育プログラムが開発されていくことになりますが、近年の情報通信技術の急速な発展を踏まえ、スマートフォンの活用やインタラクティブなeラーニングを利用した指導スタイルに大幅に改善すれば、疑問視されている時間や費用・通学の制約を解決することができるでしょう。

「いつでも・どこでも・誰でも学べる」理想的な生涯学習社会の構築が可能になると考えます。

(田中 正徳/次世代教育プランナー)

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