「どうでもいい日常」を送りつける「俺通信」
今、静かに「迷惑的な」ブームが起きつつあります。
「今日も頑張って走ったよ!」
「電車激混み~。今日も会議だ!」
「今日のランチめっちゃおいしい!」
このようなメッセージが、たいして仲良くもない知り合いから頻繁に送られて来たらどうしますか?いわば、「どうでもいい相手」からの「どうでもいい日常」。これが「俺通信」です。
女性からすれば、もはや迷惑メールレベル
この「俺通信」を男性側から見てみましょう。まだ親しくなっていないA子ちゃんに、自分という人間を知ってもらおうと、朝から「おはよう。いい天気だね!」と、送ります。「既読」になって、ちょっとだけ満足します。それから何かある度に、「俺って、こんなだよ」アピールを続けます。
女性からの視点で考えてみましょう。最近、知り合ったけど、さほど興味のないB太くんから朝にメッセージが届きます。「既読スルーしとくか…」。ところが次々と送られてくるB太くんの近況レポートに「知らんがなっ!」と、スマホにツッコミを入れてしまうA子ちゃん。これは、もはや迷惑メールレベルです。
コミュニケーションが「ひとりよがり」になってはいないか
スマートフォンとSNSの流行によって、オンラインでの情報発信がEメールが中心だった頃より活発化しています。それは中毒性を帯びていて、「歩きスマホ」や「ながらスマホ」は、通学通勤など生活の中で景色と化しているほどです。
また、このような現象は、TwitterやFacebookなどでもすでに見受けられました。
「パスタなう」
「アキバなう」
「トイレなう」
はっきり言えば「どうでもいい内容」です。日本語はインターネットの世界で一日にアップロードされる量が、世界一といわれるほどです。人は「承認」に飢えているのかもしれません。
しかし、人によっては「自己満足とも思える一方的な情報の垂れ流し」に慣れてきてしまったのではないでしょうか?内容がどうというわけでもなく、ただ「いいね!」や「既読」をもらって満足し、もらえなくて不満を抱く。私たちは、コミュニケーションが「『ひとりよがり』になってしまってはいないか」を見直すことが大切なのではないでしょうか。
(青柳 雅也/心理カウンセラー)