「持っていないと不安」という気持ちがかばんの中のモノを増やす
かばんの中を見るだけで、その人の家の状態がわかります。もっと小さいものだと、お財布を見ると「片づけができるのか、できないのかがわかる」と言えるでしょう。大きなかばんを持ち歩いている人の特徴として、「これは必要」「でも、これも持っておいた方がいいかも。万が一○○のときに使うかもしれない」といった理由で、いろんなモノを「持っていないと不安」という人が少なくないようです。
でも、あれもこれも放り込んでいると「取り出したいときにすぐ出せない」「いつもカバンの中を探し回っている」「見つからなくて、また新たに買っている」など、無駄な時間やお金を費やしてしまうことにもなります。それが仕事に関わるモノであれば、信頼をも失ってしまうかもしれません。
まず「何を持ち歩いたらいいのか」を考える
家の中については、「自分にとって何が必要か、何が大事か」と思考の整理をすることがとても大切で、そこが明確にならないと片づけはうまくいきません。かばんの中においては、「常に持ち歩きたいものは?また持ち歩く必要があるものは?」について考えてみましょう。頭の中がまとまったらかばんの中身をすべて出して、「絶対持ち歩きたいモノ=必需品」「かばんから出して家に置くモノ=手放す」といった具合に分けます。
そして「必需品」のみ戻しましょう。そのときのポイントとして、家の中でモノの定位置を決めるのと同様にかばんの中でも定位置を決め、モノに住所をつけてあげるのです。住所が定まったら「必ず元の場所に戻す」ことを練習しましょう。また、かばんの中全体を見渡せるように、ポーチや財布などを立てて入れておくのもおススメです。
バックインバックは中身がわかる透明タイプがオススメ
その日のファッションに合わせて、かばんを替えるときなどに便利なのがバッグインバッグです。携帯しておきたい小物などを入れておいて、そのまま別のかばんに移すだけです。しかし、そのバッグインバッグも「中身が見えないので何が入っているかわからない」「どれに何をいれたか忘れてしまい、探しだせない」といった問題が出てくるかもしれません。
そんなときは、ジッパー付きの収納袋(透明のモノ)で、まずは練習をしてみましょう。ジッパーがカラーのモノを使うと、色分けできるので便利です。中身が見えることで、ひとつずつ見る手間が省け、モノの住所を決めることにうまくつなげることができます。透明の収納袋で習慣化できたら、お気に入りのバッグインバッグに変更したらいいでしょう。
「とりあえず」といった気持ちがモノを増やしてしまうので、常に持ち物を見直してかばんの整理収納を心がけましょう。焦ってモノを探すことから解放されると心にも余裕が生まれて、コミュニケーションや仕事がスムーズになる可能性も出てきます。かばんの整理をすることで「得るモノが大きい」と言えるのではないでしょうか。
(宮崎 佐智子/ライフオーガナイザー)