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世界の常識「保険はできるだけ入らない」の真実

JIJICO 2015年5月2日 10時0分

「保険は必要なのか」、それとも「不要なのか」

消費増税や円安などの影響による物価上昇が、生活費をじわじわ締め付けています。家計の改善を考えた場合、食費や日用品費などを切り詰め、外食・旅行を控え、家電・家具などの買換えの先延ばしを考える人は多いと思われます。しかし、まずは5大固定費(住居費、保険、通信費、水道光熱費、車両関連費)を見直すべき、ということを前回のコラムでお伝えしました。

そんな5大固定費の中でも、住居費、通信費、水道光熱費、車両関連費の4つは「毎月の生活に必要なお金」であるのに対し、保険は「万一に備えるためのお金」であるため、家計の見直しを検討する際は真っ先に候補に上がります。

確かに、日本は海外に比べて「保険好き」といわれており、諸外国に比べて保険に加入する割合や保険に使う金額が大きいように思われます。その分、見直しの余地が大きい家庭は多いのかもしれません。そこで、あらためて考えたいのは、結局のところ、「保険は必要なのか」、はたまた「不要なのか」という議論です。

収入・貯蓄で賄うことができれば保険は不要

死亡、火災、地震、病気、事故など、さまざまなアクシデントに対して備える財源には「収入・貯蓄・保険」の3つがあります。「備え」と聞いて「保険」を思い浮かべる人もいますが、本来は収入・貯蓄で賄うことができれば、保険は不要です。

言い換えれば、収入・貯蓄でカバーできないリスクに対して、「保険」は活用する価値があります。ただし、保険を活用する場合でも、保険をメイン財源とする場合は「多め」に、サブ財源として検討する場合は「少なめ」にするなど、全てを保険に頼るのではなく、部分的に保険でカバーすることを考えれば、保険コストを抑えることができます。

「自己保険」を増やすことで、コストのコントロールを

もらい火、地震・水害などの自然災害は予測不可能で、同様にもらい事故なども自分ではコントロールできません。事故や自然災害に備えて保険を活用することは効果的ですが、日常の意識や行動、習慣を変えることで損害を小さくすることはできます。

地震リスクに対しては、「耐震性が高い住宅を購入する、耐震改修する、家具や家電を固定する、家具の配置を変える」。生活習慣病による病気・介護・死亡リスクに対しては、「定期的に健康診断を受ける、たばこ、お酒、運動、睡眠、ストレス、食事などの6要因について改善する」ことも「保険」の範囲といえるでしょう。

「保険・共済は生活を守る重要な手段」ですが、「貯蓄する」「リスクを減らす意識・行動・習慣を取り入れる」「リスクを早期発見する」などにより、保険への依存度を下げることもできます。保険料というお金がかからない「自己保険」を増やすことで、コストを上手にコントロールしてみてください。

(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)

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