労働法規を無視した搾取に注意が必要
5月を迎えた大学では授業の時間割も決まり、サークルの新歓コンパも終わり、「さあアルバイトだ」と思っている新大学生も多いのではないでしょうか。しかし、ちょっと待って下さい。そのアルバイト、もしかしたら今話題の「ブラックバイト」かもしれません。
ブラックバイトとは、特に法律などによる定義はありませんが、一般的に労働法規に詳しくないことを利用し、下記のような行為で、アルバイトやフリーターを搾取することとされています。
ブラックバイトかを判断する10のチェック項目
1.労働条件通知書や労働契約書が無い、渡さない
2.残業代を払わない、若しくは残業代に上限を設けそれ以上払わない
3.6時間以上働くのに途中で休憩が与えられない
4.遅刻などに対して労基法で許容されている以上の罰金を科す
5.有給休暇を与えない、アルバイトに有休など無いと言い張る
6.違法な長時間労働を強いる
7.30日前の予告無しに解雇する、若しくは解雇予告手当を支払うこと無く解雇する
8.契約内容と違う働き方をさせる
9.厳しいノルマなどを課し、達成できないと商品を買わせる
10.辞めると言ったら、金銭を要求する
労働法規を全て把握している経営者や現場管理者が少ないため、理解しないまま違反をしている事業所もあります。そのため、上記一つでも該当すれば、全てがブラックバイトとはいえませんが、違反する項目があれば十分注意する必要はあります。
学生生活が狂わされるようなことがあれば本末転倒
働いているアルバイト先がもしブラックのようであれば、一刻も早く辞めることです。上記10に記載しましたが、辞めるなら金を払えなどと言われても、そんな必要は絶対にありません。
14日以上後に退職する旨を記載した退職届を提出するなど、毅然と対処しましょう。また、上記1~7は労働基準法違反です。事業所を管轄する労働基準監督署へ相談に行くのも良いでしょう。8~10や微妙にブラックなのかそうでないのか判断がつかないような場合、大学の学生課などに相談してみるのも一つの手段です。違法な長時間労働などで、折角の学生生活が狂わされるようなことがあれば本末転倒です。ブラックバイトに注意し、充実した学生生活を送りましょう。
(影山 正伸/社会保険労務士)