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甘い蜜には罠がある!実は危険な「カロリーゼロ」

JIJICO 2015年5月14日 15時0分

人工甘味料の健康への影響についてはいまだ疑問の声が

「カロリーゼロ」。さも自信満々に「ゼロ」と言い切るこの表示を見て「これであれば、飲んでも問題ないはず」と考えている人もいるかもしれません。今回はこの魅惑の「ゼロ表示」の真実に迫ります。

「カロリーゼロ」の表示に関しては、消費者庁が定める「栄養表示基準」によって決められています。それによれば、100ml(固形の場合は100g)中に5kcal未満のものはカロリーがゼロでなくとも、「カロリーゼロ」と表示することが許されています。また、「カロリーオフ」に関しては、100ml中20kcal未満までが許容されるため、たとえば500mlの清涼飲料水の場合100kcal近く含まれている場合があります。

カロリーを抑えつつも甘みをつける、それを可能にしているのが人工甘味料です。人工甘味料に関しては安全性を検証する実験が行われていますが、健康への影響についてはいまだ疑問の声が上がっています。

イスラエルの研究チームの発表が世界に衝撃を与える

2014年にイスラエルの研究チームの発表内容は、世界に衝撃を与えました。マウスを使った研究により「人工甘味料は腸内細菌のバランスを崩し、血糖値を下がりにくくする」というメカニズムが明らかになったのです。さらにその後、ヒトに対しても調査を行ったところ、人工甘味料を多く摂取する人は、少ない人に比べて体重が多かったり、血糖値が高かったりする傾向が認められました。

そんな状況下において、米国のペプシコーラ社では、この夏から北米で発売するダイエットペプシには人工甘味料の「アスパルテーム」を使わないことを発表しました。これは、アスパルテームの安全性に疑問を持った消費者が増え、売上げが落ちたことに対応するためとのことです。市民の間では既に、人工甘味料についての情報が広く知れ渡っているようです。

砂糖を使った飲料を節度を守って飲む方が、理にかなっている

さらに、人工甘味料で問題なのが依存性です。人工甘味料は少量で砂糖の何百倍もの甘さを発揮する物質。カロリーはなくとも、その甘さは強烈です。そして、人間は本能的に甘いものを欲しがる性質があり、甘いものをとればとるほどそれが習慣となり、さらに甘いものを求めるという負のループが起きてしまいます。

「カロリーゼロだから大丈夫」と安心して人工甘味料の入ったものを制限なく摂り続けていれば、それまで以上に甘いものを抑えるのが困難になり、通常の砂糖を使った甘い食品にも手が伸びるようになってしまいます。

「カロリーゼロ」は、いくらでもとっていいという免罪符にはなりません。「甘いのにカロリーがない」という魔法の粉に頼るぐらいなら、いさぎよく砂糖を使った飲料を節度を守って飲む方が、理にかなっているのかもしれません。

(圓尾 和紀/管理栄養士)

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