「早生まれの子ども」に関してネガティブな意見も
新学期がスタートし、早くも2カ月が経過しました。新生活への適応で気を張っていた分、疲れが出たり、想像していない状況に戸惑ったりと、5月~6月は悩みや不安が出やすい時期でもあります。そんなこの時期、多くの悩みの一つに「早生まれ」の子どもを持ち、幼稚園や小学校での新生活をスタートさせた母親の不安があります。
このコラムを書くにあたり、取り急ぎインターネットで「早生まれ 子育て」と検索してみると「早生まれは不利?有利?」「成長に差が出る?」などなど、少しネガティブな記事が並びます。
そこまで心配する必要はない
確かに 初めての我が子が入園・入学となれば、「あれ?うちの子って成長が遅れているの?いつも一人で遊んでいるわ??」など、心配する気持ちも理解できます。しかし、そんな母親へ簡単にメッセージを送るとすると、「そこまで心配しなくてよい」という結論に至ります。
というのも、私の長男も「3月中旬生まれ」と、ズバリ早生まれです。「うちの息子は不利なのか」と少し焦ってしまいましたが、そんな息子も現在は小学6年生。今では友達と比べて秀でているところもあれば、劣っているところもあり、たまに喧嘩はしますが「普通」に育ってくれています。
最も大切なのは子どもにネガティブな発言を繰り返さないこと
確かに幼稚園に入園したてのころは、他の友達が進んで発表しているのを眺めて見ているだけだったり、かけっこではいつもしんがりを務めていたり、同じクラスの友達を「おにいちゃん」と呼んでいたりといったことも思い出されます。それでも、親の心配をよそに本人は何とも感じていないようでした。
早生まれの子どもの場合、小学低学年までは他の子どもと多少の差はあるかもしれません。しかし、いずれ必ず差は埋まり、中には凄い勢いで追い越していく部分もあるはずです。一番大切なのは、「早生まれ」が何なのかを理解できない子どもに、親がネガティブな発言を繰り返し、子ども本人が「自分はできない」と諦めムードに陥らせないことではないでしょうか。
心配する母親に向けた3つの実践ポイント
それでも心配という人は、以下のポイントを実践してみてください。
1)できないことを伸ばそうとするより、できることを伸ばす。
できないことを克服するには「本人の努力」が必要です。しかし、特に幼いころは、「努力」というものを理解できません。他人と比較してできないことに目を向けるのではなく、個々の成長に目を向け、できることを認め、もっとできるように促すことで、自然に「努力する心」「チャレンジ精神」が育まれていきます。
2)よく話しかける(会話や読み聞かせ)
子どもが最もストレスを感じるのは、自分の意思が伝わらないこと、相手の気持ちが理解できないことです。言語の成長は子どもの成長として、一番分かりやすい要素でもあります。会話は成長ホルモンを促すとも言われています。可能な限り、子どもとの会話を楽しんでください。ただ、会話といっても幼い年齢であれば、お喋りだけではなく、絵本を読んであげたり、言葉遊びをしてあげたりということも必要です。そこまでの時間がなければ、抱き締めるなどの心での会話でもいいかもしれません。
3)最後は、自分の子どもを信じてあげる
もし、インターネットや本で「早生まれは〇〇な人○パーセント」など、ネガティブな記事を見つけたとしても、それは単なる数宇であって絶対ではありません。自分の子どもが、その数字には含まれていないことを母親が信じてあげてください。人間はマイナスな方ばかりを意識してしまう悪い癖があります。事実、ある記事には「早生まれには天才が多い」や「スポーツ界での成功者には早生まれが多い」というものも見かけます。もしかしたら、あなたの子どもも、将来世界を相手に活躍する天才かもしれませんよ。あ・・・うちの長男も(笑)
(つだ つよし。/心理カウンセラー)