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プライベート情報の共有が鍵!ビジネスでの機能的なチームづくりのヒント

JIJICO 2015年11月14日 10時0分

トップダウン型のチーム運営では、成果を創りつづけることは困難

外部環境が激しく変化するなかで、ひとりのリーダーが情報を把握し、適切な対応策をメンバーに指示するというトップダウン型のチーム運営では、成果をつくりつづけることは困難です。組織においては、チームメンバーが主体的に目標に向けて関わるチームづくりが必須課題となっています。このときに重要になるのが「情報共有」です。情報共有は、チームが機能的に活動するための出発点ですが、「なかなかできていない」「徹底できていない」という組織が多いのも実情です。

情報共有ができていなければ、チームとしての相乗効果を期待することができなくなります。個人ではなくてチームで仕事をする最大の目的は「相乗効果」ですので、情報共有していないとチームで仕事をする意味がなくなります。情報共有は、組織の存在意義に関わることなのです。

情報共有ができていない組織は人間関係が破綻

私の経験上、情報共有できていない組織では次のようなことが起こります。

・部署や立場が違うメンバー同士が責め合っていて、人間関係が悪い。
・仕事が一部の人に集中していて、忙しい人とヒマな人ができている。
・自分や自部署以外のことに無関心になっている。
・自社の現状が分からず、メンバーに不安や不満がたまっている。
・自分が何をすべきかが分からず、惰性で毎日の仕事をこなしている。

その他にもさまざまな問題が発生しますが、最も深刻なのは人間関係が破綻することです。情報共有を進める施策として「報告・連絡・相談の徹底」を挙げる企業が多いですが、人間関係が悪い組織ではどんなに素晴らしい仕組みを構築しても、「報告・連絡・相談」が徹底されることはありません。誰しも、嫌いな人には関わりたくないのです。

行動や結果の質を高めるためには「関係の質」を高める必要がある

では、共有すべき情報ですが、大きく区分すると以下の3つです。

(1)ゴール=ビジョンや目標など、目指しているもの。
(2)現状=組織や個人が置かれている現在の状況。
(3)ギャップ=ゴールと現状の間にある課題。

チームが機能的に活動するためには、上記の3つの情報が共有されている必要があります。最近、特に重要になってきていると感じるのは「インフォーマルな情報」です。

例えば、子どもが何歳だとか、趣味は何だとか、仕事に直接的には関わらないプライベートな情報が共有されているチームは良好な人間関係が構築され、結果として仕事に関するフォーマルな情報も共有化されています。

アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)教授のダニエル・キム氏は、行動や結果の質を高めるためには「関係の質」を高める必要があると唱えていますが、ただ単に仕事上の関係があるだけでは、なかなか強いチームにはなれません。一人ひとりのプライベートな目標や現状を相互に把握することで人間関係が醸成され、有機的な組織へと成長します。

(福留 幸輔/組織・人事コンサルタント)

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