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結婚前に要確認!互いの財政状況チェックは必要か?

JIJICO 2015年6月16日 14時0分

夫婦それぞれ、収入や貯蓄状況を全く知らないケースもある

もうすぐ、ボーナスの季節がやって来ます。日本経済新聞などによれば、円安や好景気の影響を受け、今年の夏のボーナス平均金額は昨年より増加する見通しとのことです。筆者は自営業のため、21世紀に入ってからもらったことがありませんが…。ボーナスに限らず、給与も含めて独身者は思い通りにお金を使うことができますが、結婚すればそうはいきません。

仕事柄、多くの夫婦・婚約済のカップルから家計相談を受けますが、夫婦がそれぞれの収入や貯蓄を把握している場合もあれば、夫婦の両方、または一方が秘密主義のため、収入や貯蓄を全く知らないケースもあります。

多くの出費を必要とする際の対応に困る事態も

大きな傾向として、片働きの場合は互いに収入から貯蓄まで把握しているケースが多く、夫婦共働きの場合は互いの収入や貯蓄を知らないという家庭が多いように感じます。おそらく、共働きによって余裕があるため、「収入や貯蓄を開示しなくても家計は回っていく」ことが大きな理由と考えられます。

しかし、「出産・育児」「病気・ケガ」「両親の介護」「勤務先の営業不振」など、多くの出費を必要とする、収入が減少するという事態が起きた場合は対応に困窮するはずです。また、マイホーム購入、子どもの教育資金、老後資金、介護資金など、多くのお金を必要とする出来事について、対策を考えなければならないケースもいずれは出てくるかもしれません。

財政状況を開示するタイミングは「結婚するとき」が最もよい機会

さらに、互いの収入・貯蓄を把握していない場合、「互いのお金の使い道に不信感を抱きやすい」「対策を立てようとしない」「漠然とした備えしかできない」「その場凌ぎの対応になりがち」「責任感が薄い方が責任転嫁をし、責任感が強い方が漠然とした大きな不安・ストレスを抱えてしまう」という事態を招いてしまいます。

夫婦それぞれの収入や貯蓄の状況を把握しておく方が、「具体的な問題を把握しやすい」「具体的な対策を立てやすく、実行しやすい」という点で望ましいといえ、そのタイミングとしては「結婚するとき」が最もよい機会です。

開示しないのであれば「担当大臣制」などの対策が必要

しかし、夫婦となれば互いに秘密にしておきたいことはあるものです。「相手が自分の収入や貯蓄に過度に干渉してくる」「自分の収入・貯蓄への依存度が高まり、自分の自由度が下がる」ことに不安を抱える人が多いのも事実です。

「開示しなくてもうまくいく」という前提条件があれば、収入・貯蓄などの機微情報はできるだけ開示したくないというニーズも理解できますし、それでよいと思います。このような場合、私がよく提案するのが「担当大臣制」です。

例えば、片働きの場合、毎月の給与は「生活資金・住宅資金担当、高校までの教育資金担当」。ボーナスは「大学教育資金、設備投資、レジャー資金担当」。夫婦共働きの場合、夫は「生活資金、住宅資金担当」、妻は「教育資金、レジャー資金担当」など。
(具体的には、私が夫婦との話し合いを進めながら担当を提案しています)

資金不足を発見しやすく、早期に対策を立てやすい

このように、収入と支出をリンクして「お金を分ける」ことで、資金不足を発見しやすく、早期に対策を立てやすい、というメリットがあります。また、夫婦共働きの場合、担当大臣制にすることで「住宅ローンを上手に返せば、自分の余裕が増える」「教育資金を上手に手当てする方法を考える」「働く目的・目標ができる」など、資金の効率化・適正化に対する意識、働くモチベーションアップなどの効果も得られます。

(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)

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