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大人と子どもでは必要な時間は異なる!?それぞれの睡眠事情とは

JIJICO 2015年10月5日 17時0分

死亡リスク・生活習慣病リスクが低いのは睡眠7時間前後

暑さが厳しくなると寝苦しく、よく眠れないといった悩みが出てくるシーズンなりました。睡眠は「量(必要睡眠時間)」と「質(眠りの深さ)」の両方が必要です。この2つが揃ってはじめて睡眠の目的が果たせたということになります。

睡眠の目的は、肉体疲労だけでなく、大脳を休めること。記憶の整理と定着、壊れた細胞の修復、免疫力を向上させる時間で「蘇生」が睡眠の目的ということになります。必要睡眠時間は個人差があり、季節によってもその日の状態によっても異なるため「何時間眠らなければならない」ということは一概に言えません。しかし、一般的に死亡リスク・生活習慣病リスクが低いのは、睡眠時間7時間前後であると言われています。

統計的数字もそれぞれの機関により調査方法が違うため、日本人の平均睡眠時間は5時間46分~7時間42分と数字もまちまちです。それゆえ単純には比較できませんが、年代によって生活サイクルも大きく異なることから、必要睡眠時間に対して錯覚が生まれています。特に子供に対しては、成人と同じ睡眠時間の感覚で判断している風潮もあり、子どもの睡眠不足は深刻な問題になっています。

入眠とは140億個の脳細胞が一斉にリセットされた状態

睡眠の目的は「蘇生」であり、人が成長していく過程でその年代に必要な睡眠の「量」があります。NPO法人「アメリカ睡眠財団」が発表している「ヒトとしての年齢別必要睡眠時間」は、健康を維持するための睡眠の指針になっています。

・新生児(0~3カ月) 14~17時間
・乳児(4~11カ月) 12~15時間
・よちよち歩き(1~2歳) 11~14時間
・未就学児(3~5歳) 10~13時間
・就学児(6~13歳) 9~11時間
・ティーンエージャー(14~17歳) 8~10時間
・ヤングアダルト(18~25歳) 7~9時間
・成人(26~64歳) 7~9時間
・高齢者(65歳以上) 7~8時間

ただし、調査の数字はあくまでアンケートのようなものです。入眠とは140億個の脳細胞が一斉にリセットされた状態ですので、いつ眠りについたかは誰もわからないわけです。ですから、上記の時間に寝床に入ってから起床までの20~30分を加算した時間が、その年代の必要睡眠時間と認識できます。

覚醒している時間帯に強い眠気を感じるのは睡眠不足の証拠

この数字に加えて認識しなければならないことは、年代での特性です。子どもを持つ親は、子供と成人を同一に考えないことです。成人(26~64歳)では、40歳から睡眠の「質」が低下し、ぐっすり眠れなくなるため「睡眠の質(気持ちよく深く眠る)」を高めることに意識を向けることが重要です。

高齢者は、体力的にもまとまって長時間の睡眠が取れず眠りも浅くなるため、日中でも短い睡眠を細かく取るようになります。こうしたことは、単なる量的な問題ではなく、年齢相応に起こってくる睡眠事情の変化なのです。

その日の睡眠が足りているかどうかの判断は「起床時に眠気やだるさがない」「13:00~15:00を除いて、生活に支障がでるような強い眠気を感じない」、そして「10:00~12:00の体が最も覚醒している時間帯に強い眠気がない」ということで判断できます。もし、それらを感じるような日があれば、その日は少し早めに就寝して不足分を取り戻すようにすることが最良の改善方法です。

(荒井 信彦/快眠探求家)

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