初対面で差が出る表情を作ることが重要
「あの企業は『顔採用』をしているから自分では難しい」といった話を聞くことがあります。実際に採用の場面で言われる「顔採用」とは、「目鼻立ちが整っている美しさ」ではなく、「表情の良さ」のことを指しています。今回は、就職・転職のチャンスを増やすためにも知っておきたい、「表情の良さ」について解説します。
赤ちゃんが、丸いものや左右対称のものが好きなことはよく知られています。顔の中では、下がった目じり、上がった口角をつないだ丸帯びた表情は大人にも安心感を与えますよね。特に初対面である採用面接では、第一印象で笑顔であるかどうかは重要です。「よさそうな人」だと思われると、プラスの印象でスタートができるからです。
「自分は常に笑顔」だと思っている人も、模擬面接を実施すると課題がわかることがよくあります。緊張のあまり取りつくろった笑顔になってしまい、返って悪い印象を与えているケースがあるのです。面接の前にリラックスする時間を設け、鏡の前で表情のチェックをしたり、履歴書を見直したりして心の準備をしてから面接に臨み、自然な笑顔が出るように心がけましょう。
相手の話に興味を持つことで目の輝き、表情が変わる
相手の話に興味を持つと、目の輝きが変わってくるものです。目も表情を作るのです。さらに、会話や笑顔で頬の筋肉が上がると活発な印象を与えます。そのためには、面接官に自然に視線を合わせ、関心をもって話を聞き、質問に答える時には相手の反応を見ながらわかりやすく伝えていきましょう。「真剣に聞いてくれている」「熱意をこめて話をしている」とわかると、好感度があがり、より会話も進むことでしょう。
「会話が進まない」「自分の発言で相手の態度が悪くなった」という場合、面接官と視線を合わせているかどうか、質問の内容とずれていないかどうか意識してみましょう。今、自分は顔が赤くなってないだろうかなど「自分」のことばかり気にしていると、相手の話や態度が目に入らなくなるものです。落ち着いて、「相手」の話や態度に注力してみましょう。
喜怒哀楽があり、聞き上手で話し上手な表情美人を目指す
「真剣に聞いてくれる」とわかることで相手はうれしくなり、「熱意をこめて話をしている」とわかることで相手もあなたにさらに関心を持ちます。話の内容によっては、真剣な表情になったり、沈黙になってもいいのです。喜怒哀楽があり、聞き上手であり、話し上手であるひと。そのような人が、表情が良い「表情美人」なのです。社内でも、お客さまに対しても「この人だったら真剣に熱意をこめて対応してくれるだろう」、そう思われて採用につながっているのです。
採用面接の場面で、本当にそこまで相手のために話を聞き、心から熱意をこめて自分の話をしているでしょうか。表情が良い、「表情美人」になるには、まずは自分自身と向き合うことが大切です。
(島谷 美奈子/キャリアカウンセラー)