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若年層が世帯年収300万円未満を生き抜く術

JIJICO 2015年11月20日 10時0分

世帯年収300万円未満の若年層家庭が倍増

財務省は先々月、年齢層ごとの世帯年収が1994年から2009年の間でどう変化したのかを分析した結果を発表しました。それによれば、若年層(30歳未満)かつ2人以上の世帯の世帯年収300万円未満の割合が、1994年は9.8%だったのに対し、2006年は18.7%とほぼ倍増していることが明らかになりました。

平成26年の初任給平均額を見ると、高卒で15万8800円、大卒で20万400円。卒業直後は年収300万円未満であるのが平均値ですが、その後の収入の伸びが小さければ、将来の生活に対する不安が大きくなるのは当然のことかもしれません。そうしたことに悩む人が現在、将来に向けて何ができるのかを考えてみましょう。

収入のうち10%程度は自己投資に回す準備を

現在の収入に関して改善するのであれば、何よりも今の仕事を一所懸命頑張りましょう。給与は「会社、上司、お客様の評価」が反映されます。他人の評価は、自分の評価よりも厳しいものです。自分ができることは一所懸命取り組むことだけですが、次第に次のステップは見えてきます。売上アップ、担当業務の効率化等に気付きが得られたり、自分の向き・不向きを発見できたり、自分にしかできない業務、自分に任せたい仕事ができたりと、次のステップにつながっていきます。

また、収入のうち10%程度は、自己投資に回しましょう。今の職場で必要とされるスキル、将来就きたい仕事につながるスキルを身につけるためにも、自分への投資は最も確実性が高い投資です。自腹を切ることで「覚悟」も強くなりますし、自分の収入から捻出した自己投資の資金だからこそ、将来の「思い」も強いはずです。金融資産への投資も大切ですが、若いうちは「自己投資」がより重要です。なりたい自分になるためのアクションを続けましょう。

節約に関しては「お金をかけずに手間をかける」

現在の支出については、おそらく節約を心がけている方がほとんどだと思いますが、固定費の見直しが大切になってきます。特に生活リズムの中で、何気なく使っているお金を見直さない限り出費は減りません。そのため「出費の見直し」というより、「日々の行動パターンの見直し」が必要であり、できる限り「お金をかけずに手間をかける」ことが重要となります。具体的には以下の通りです。

■食費
・お弁当ではなく、「お総菜のみ」「お総菜+おにぎり」を買う
・コンビニにできるだけ入らない(欲しいものがいっぱいで、つい買ってしまいます)
・コンビニよりもスーパーマーケット、ドラッグストア、100円ショップを利用する
・できるだけ水筒を持ち歩く

■買い物(敢えて、面倒に)
・ネット通販を気軽に利用しない(必要なものを安く購入する手段として利用)
・自動車で行かず、自転車、徒歩で行く(持って歩く辛さが買う量を抑制)
・食費、住居費、お小遣い、水道光熱費、通信費等は封筒に分けて管理
・出費がかさみやすいクレジットカード払いをやめ、現金払いに

■保険
・まずは行動の見直しから(例:家具転倒防止、自動車・自転車の安全運転)
・自然災害、地震、自動車事故等、避けられない大きなリスクに対しては保険に加入
・運動、睡眠、食事等、健康リスクは自分でコントロールするなど

自分ができることを増やし、将来への不安を軽減

他にもたくさん方法はありますが、お金をかけずに自分でできることに手間をかけることが、出費を抑えるポイントです。ただし、生活には潤いも必要です。自分の中で価値が高いものについてはプチ贅沢を楽しみ、優先順位が相対的に低い部分はダウンサイズするなど、強弱をつけましょう。一つの目標は、「収入の範囲内で生活費が回り、自己投資資金を10%確保すること」です。

生活習慣は、何も意識しなければ楽な方に流れてしまうものです。収入アップするためにできることをコツコツ取り組み、生活力を高めるために自分ができることを増やし、将来への不安を小さくしていきましょう。

(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)

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