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転職で賃金増、最高の36.6%!好機は今か!?

JIJICO 2015年9月9日 10時0分

2014年度の雇用動向調査の結果が発表

厚生労働省から、2014年度の雇用動向調査の結果が発表されました。それによれば、平成26年1年間の入職転職者の賃金の変動は前職の賃金に比べ「増加」した者の割合が36.6%、「減少」した者の割合が31.6%、「変わらない」とした者の割合は29.5%となっています。

前年に比べて「増加」した者の割合は4.8%増加し、「減少」した者の割合は2.2%低下しています。年齢別では、50歳未満の各年齢階級では賃金が増加した者の割合が減少したものの割合よりも多くなっていますが、50歳以上の各年齢階級では反対の結果になっています。

今までより賃金が増加するとは限らない

このような結果から考えれば、現在が転職するに適した時期かと思われますが、実際はどうなのでしょうか。確かに、アベノミクス効果で景気が上向いて賃金の上昇が多くの企業で行われていますが、今までより賃金が増加するとは限りません。一般的に転職をすると、会社が期待する自分の能力や経験を発揮できなければ、賃金は減少することになります。

転職先が今までと全く畑違いの職種であれば、前職で培った能力や経験が思うように生かせず、賃金は減少することが多くなります。他にデメリットとして退職金の積み立てがリセットされたり、企業年金がある場合に不利になることもあるため注意が必要です。リーマンショック後のような状況と比べれば、現在は転職するには良い時期ですが、よく考える必要があります。

高齢になるほど転職しても給料が減少する人が多くなる

転職をするには、何のために転職をするのか、自分に何ができて転職後にどんなことをしたいのかを慎重に考えなければなりません。安易な理由で短期間での退職を繰り返せば、次の転職に不利になってしまいます。会社が転職者に期待することは、即戦力として働いてもらえるかということです。

ある程度のことはできるという前提があるため、仮に期待を裏切れば評価は下がってしまいます。できたとしても、今まで以上に賃金が上がる保証もありません。賃金の増加だけを期待して転職すれば、実際に上がらない場合に不満を抱き、退職や転職を繰り返すという悪循環に陥ることになります。賃金以外で仕事内容に興味が持てるのか、能力を生かせるのか、会社の経営理念に共感できるのか、労働条件に納得できるのかなどを総合的に考える必要があります。若い人ほど転職して賃金が増加していますが、高齢になるほど減少する人が多くなることにも注意する必要があります。

(松本 明親/社会保険労務士)

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