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マイナンバーの弊害!?会社に副業がばれない対処法はあるのか?

JIJICO 2015年10月25日 10時0分

マイナンバーで会社に副業がバレる?

通知カードの郵送が始まり、注目を浴びているマイナンバー制度。弊害の一つとして、制度の導入によってサラリーマンやOLの副業が会社に露見するのではという憶測が飛び交っています。それを恐れてキャバクラなどで働いているOLが副業を辞めれば、そのOLの収入が減るだけでなく、水商売の経営者も女性の確保に困るのではないかとの意見もあります。それを受け、「マイナンバー大不況」と謳っている雑誌もあるようです。今回は、この情報の真偽について考えてみます。

制度が始まっても、正しい手続きをしない会社は出てくる

今までも、会社や個人事業者は支払った給与に関して、原則全員分の1年間の給与収入等を市役所等へ報告することになっていました。市町村から主の勤務先へ給与で天引きする住民税が通知される際、副業の給与も合算された住民税が通知され、あまりに税額がほかの人よりも多いと不審に思われ、副業がばれる可能性がありました。この仕組みが機能する限り、マイナンバーとは関係なく副業が勤務先にバレる危険があったのです。

ところが、給与を一切報告しない会社があったり、報告しても特定の人を除外して報告するところがあったりして、実際にはすべての人の給与が市役所等に報告されていないという状況が続いてきました。また、副業が給与ではなく報酬などの場合、源泉徴収されない業種であれば副業先には報告の義務はなく、本来確定申告をすべき人も申告しなければ見つからなかったこともあります。マイナンバー制度が始まっても、正しい手続きをしない会社はやはりしないでしょう。

税務調査の目的はその会社が対象だけではなく、そこから支払いを受けている個人の脱税を見つけることにもあります。現在でも税務調査の際は、個人の外注や従業員について氏名、名前を控えていきます。これがマイナンバー制度の導入により、従業員のマイナンバーを会社が把握していなければ疑われやすくなり、マイナンバーから検索されて無申告であることが今までよりも判明しやすくなります。

給与扱いにならない業種を選ぶ

副業がバレないようにするにはまず、できれば給与扱いにならない業種にすることです。副業が給与でなければ、確定申告書の記入で一工夫をすれば副業分の住民税が勤務先に加算されて通知されないようにできます。申告書用紙の2枚目に「住民税の徴収方法の選択」という項目があり、「自分で納付」にチェックを入れるのです。

確実に収入が入るため給与としてもらうことを選択する場合、どうしても副業が給与になってしまう人は、この方法は効果がありません。市役所等に個別で相談してください。市町村によっては配慮をしてもらえるところもあるようです。

一方、「確定申告をすれば会社にバレるかもしれないから申告しないでおこう」との判断は脱税をしていることと変わりありません。会社にバレるかどうかより、こちらの方が問題で、適正な納税をすることが最優先です。副業の必要があれば、事前に勤務先に相談してみましょう。副業が明るみに出るか出ないか怯えて過ごすよりも、お天道さまの下、堂々と生活しようではありませんか。

(米津 晋次/税理士)

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