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法案成立で加速する!?小中学校よりもフリースクールの選択肢

JIJICO 2015年11月17日 13時0分

法案が成立すればフリースクールでも義務教育修了が認められる

不登校の子どもたちがフリースクールなど、小中学校以外で教育を受けた場合でも、義務教育の修了を認める議員立法がまとまり、法案が通常国会で成立すれば、2018年4月にも新制度がスタートすると報じられました。

日本ではこのように「フリースクール=不登校の子どもらが通う」という現状がありますが、そもそも、アメリカやイギリスなど、海外で「フリースクール」といえばシュタイナーやペスタロッチなどの偉人たちが導き出した思想を受け継ぐ教育が展開されている学校を表しています。日本でも一部のフリースクールは欧米の実態で運営されているものの、大抵が学校に行きたくても通うこと自体が困難な児童生徒のための教育の場になっています。

一人ひとりの学びスタイルを大切にした指導

今では日本各地に点在するフリースクールですが、通常の学校(以下「学校」)との違いはどのようなものなのでしょうか。学校では、学習指導要領に基づいた一斉授業が展開されています。これは「日本全国どこへ行っても同じ教育を受けることができる」という日本が世界にアピールしているポイントです。そのため、学校に通って学ぶことで卒業のための単位が取得できます。

ところが、フリースクールは義務教育の学校として認定されていませんでした。学習指導要領や従来からの授業スタイルにとらわれない個人の興味や関心、学習の進度など、児童生徒一人ひとりの学びスタイルを大切にした指導が展開されていることがその原因の一つといえるでしょう。「フリー」に込められた意味は、バリエーション豊かな教育ということなのでしょう。

フリースクールを利用している児童生徒の現状

世間では「フリースクール=不登校の児童生徒が通っている」というイメージがあるかもしれませんし、実際にほぼ正しい答えです。ただし、ここで気を付けなければならないのは、「不登校」との言葉です。この一言には、児童生徒のさまざまな原因が多様に含まれているからです。

文部科学省によると、不登校の定義は「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者」となっています。児童生徒が登校しなくても、彼らには「教育を受ける権利」が保障されていて、大人には「教育を受けさせる義務」があります。いじめ被害や集団学習での遅れ、発達障害などの特性による学校という場での学びにくさ、学校教育よりハイレベルな学び追求など、児童生徒の「学び方」に合った教育環境を用意することで、教育を受ける権利も受けさせる義務もどちらも果たすことができています。

教育界に新しい学び方を投じたフリースクール

かつての日本は、学校での集団指導だけが教育の場でした。ところが、今では学校ではないところでも学校にいるかのような、しかも自分のスタイルで学ぶことができる場がフリースクールなどから生まれました。集団に合わせる学び方は「ついていかなくちゃ」という焦りが常に存在し、「みんなができて自分はできない」と考えてしまえば自信喪失にもつながりかねません。

フリースクールでは、マイペースに学びを進めることができます。そのため、自分の「できない」を見つけるより「できた」を見つける方に価値があるということを自然に学んでいくチャンスを発見する機会も多いでしょう。他国に比べ、自信を持てない高校生が多く存在する日本。この現況を打開することができそうな学びのスタイルが、フリースクールには備わっていると思います。

(鈴木 あづみ/個別療育・児童発達支援管理責任者)

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