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仕事でのストレスで睡眠不足に!最悪のサイクルからの脱出法

JIJICO 2015年11月29日 18時0分

仕事でのストレスが睡眠不足を引き起こす

睡眠の悩みは大きく分けて「不眠、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡困難」の4つですが、それらが睡眠障害と結びつかなくても、「良く眠れていない」という実感を持っている人はかなり多いようです。特にビジネスマンは仕事のストレスで睡眠不足の人が急増し、電車やバスの車中で居眠りではなく、爆睡状態の人を見かけることも少なくありません。

睡眠は動物として必要な生理現象です。睡眠中に壊れた細胞を修復し、記憶を生理定着させ、免疫効果を向上させる時間です。つまり、睡眠の目的・役割は、明日への蘇生の時間ということを忘れてはいけません。業績目標へのプレッシャー、取引先やトラブル、クレーム処理などによるストレスは、睡眠不足に大きく影響してきます。

睡眠不足の脳は飲酒したときと同じ状態という発表がある通り、仕事でのニアミスを引き起こし、怒りやすくなり、仕事や人間関係にも支障をきたします。何よりも睡眠不足が続くと大病にかかる危険もあるため、「百害あって一利無し」ということです。

思考をシャットダウンさせる気持ちの切り替えが重要

しかし、それらのストレスは今に始まったことではなく、ビジネスマンであれば昔からあったわけです。今のビジネスマンの生活習慣を見ると、高度成長期やバブル期とは異なり、残業や接待で毎日帰宅が遅くなることで睡眠時間が確保できないという状況ではなく、普通に帰宅はできるが、深夜まで起きている。または、眠気が訪れない。眠いけど眠れないという理由のようです。つまり、帰宅後も脳が覚醒し続けていて、パソコンで例えればシャトダウンでなく、スリープの状態にあるということでしょう。

体に傷みや痒みがあって眠れなければ、治療によって睡眠不足は解決します。寝心地が悪くて眠れなければ、寝具を変えればいいでしょう。しかし、メンタルな面でのプレッシャーやストレスは、脳に「もう仕事は終わった」ことを認識させ、仕事への思考をシャットダウンさせる気持ちの切り替えが重要です。

脳を切り替えるのに有効なものは、「暗さ」と「非日常的な体感」でしょう。日常生活の中で最も非日常を味わえるのは「入浴」です。裸でシャワーを浴びるほど、非日常はありません。私は帰宅後、2回の入浴を勧めています。帰宅したらすぐにシャワーを浴び、仕事が終わったことを脳に認識させます。そして、入眠をスムーズにするために、寝る前には温めの湯船に浸かる。この時は浴室の電気を付けず、キャンドルなどの柔らかい光でゆっくり入るのがいいでしょう。

現在の生活環境にも睡眠不足を加速させる要因がある

また、本来帰宅後は就寝までゆったり過ごして癒やしの時間を過ごすはずが、スマホやパソコン、液晶テレビでブルーライトを浴び、LED照明の中で過ごすという、脳を覚醒させる生活環境になってしまった暮らし向きにも睡眠不足を加速させる要因があります。

専門家的にはこれらはNGと言うべきなのでしょうが、今の社会でそれを排除することは不可能です。スマホは体の一部になっていて、LEDでない電球も市場から減る一方です。スマホやパソコンは就寝時間の2時間前までにし、室内のLED照明は間接照明するなどの工夫が必要です。そして、何よりも気持ちのいい寝床をつくることです。自分の体に合ったマットや敷布団など敷ツールを適切に選ぶこともとても大事です。

(荒井 信彦/快眠探求家)

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