結婚のストレスで難聴に?
先日、お笑いタレントの千原ジュニアさんが、結婚後にストレスで難聴になったという報道が話題になりました。人生最大イベントでもある結婚、胸を膨らませ新たな生活を始めたはずが、ストレスを感じてしまい、ひどい場合はうつになることもあるそうです。結婚は新居での暮らしによる環境の変化や慣れない他人と暮らすことへの疲れなど、今までのように自分中心にはいかない不自由さを感じることでしょう。
そんな際、ストレスがたまる原因の一つとして考えられるのが、相手を自分のやり方に当てはめようとすることです。自分の思うように相手が動かない、理解してくれないことで苛立ちを募らせ、不満をためてしまいます。子育てが始まれば、さらにその不満は膨らみます。その苛立ちの中には「自分の思うように動いてほしい、分かってほしい」という気持ちが隠れています。
相手との常識の微妙なズレは当たり前
愛している相手と例え「価値観が同じ」と思って結婚したつもりでも、暮らしてみて初めて感じる「常識」の微妙なずれ。自分が「当然」と思っていたことが、相手にはそうではないことにイライラを感じるのです。
しかし、それぞれ全く別の場所で生まれ、生活していたのですから、それは当然のことです。まずは「違って当たり前」という現実を理解しましょう。そして、自分のルールに相手を当てはめようとするのではなく、二人の生活の新しいルールをつくっていく気持ちを持ちましょう。十分に話をして、「自分のこれだけは譲れない部分」はきちんと伝え、互いに譲れる部分「こうしてほしい」ことを話し合ってください。
ストレスに気付いた際の解消法
また、相手に寄り添うことは大切ですが、寄りかかりすぎては倒れてしまいます。二人の時間はもちろん大事でも、それぞれ別の時間を持って独立する適度な距離も必要です。夫婦関係を円滑にするのに大切なことは、相手を尊重することです。そして、前向きな行動をとるために自分のストレス状態に気付くことも大切です。ストレスがたまっていると感じた際は、下記の方法を試してみてください。
■ストレス解消法
・言いたいことをため込むのではなく、夫婦でよく話し合う。
・不満をため込む前に、誰かに愚痴を聞いてもらう。
・自分の時間を作ってリフレッシュする。
・二人だけで外出して食事やスポーツ、二人でできるストレス解消の時間を持つ。
・睡眠を十分とる。
(疲れやストレスを取るために重要なことは睡眠です。朝日を浴びてから14時間すると睡眠ホルモンのメラトニンが分泌して、体が眠る準備を始めます。その2時間以内に眠るのが理想的とされています)
・体を温める
(ストレスで自律神経が乱れ、血液の循環が悪くなり冷え性になることもあります。体を温めて疲れを取りましょう)
本人が気付かない「家族がいる安心感」
注意すべきストレスのサインとしては、以下のようなことが考えられます。
・肩こり、頭痛、倦怠感、食欲不振、睡眠障害、動悸、しびれ、疼痛、イライラ、腰痛など
ストレスに適応すれば、自分を向上させ、強くするなど良い方向へも導けます。大切なのは、小さなストレスを感じたらその都度解消することです。自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスと上手に付き合いましょう。
結婚生活がストレスだらけと思ってしまえば、結婚に躊躇してしまうかもしれません。しかし、ストレスなしの生活が一見理想のように見えても、何もない生活は味気ないものになるといえるのではないでしょうか。どうせ「良いことも悪いこともあるのが人生」です。夫の愚痴や妻への不満、子育てなどのぶつかり合い、泣いたり笑ったり、新たな家族との関わりの中で、本人が気付いていない「家族がいる安心感」もかけがえのないものだと思います。
(飯塚 和美/心理カウンセラー)