麻生財務相も認めた軽減税率の混乱
来年4月の消費税増税と同時に導入が予定されている軽減税率ですが、対象品目のわかりにくさが問題となっています。
消費税は10%に上がりますが、軽減税率が導入されると酒類と外食を除く飲食料品は税率を8%のまま据え置きになります。
この対象から除外された外食について、対象になるのかどうなのかがかなり難しいのです。
お寿司やピザの出前はお店で食べないから8%。ファストフードのハンバーガーなども店内で食べれば10%ですが、持ち帰れば8%です。
同じ商品が同じ店で売られているにもかかわらず、値段が違うという現象が起きます。これでは出前が多くなり、小さな食堂の負担は相当なものではないでしょうか。
実際すでに軽減税率を導入しているヨーロッパでは、食品に店内で食べた場合と持ち帰りの場合の2つの価格が表示されています。
海外と比べて軽減税率のメリットが得られにくい日本
そもそもなぜ軽減税率を導入するのかと言えば、低所得者の税負担を減らすことです。ただこの仕組みでは、低所得者だけでなく全体の税負担が減るので、結局たくさんお買い物をする高所得者にメリットがあるという結果になります。
すでに海外で導入されている軽減税率の内容はどうなのでしょうか。
イギリス税率20%…食料品0%
フランス税率20%…食料品5%
ドイツ税率19%…食料品7%
日本との違いがわかりますか?海外の軽減税率は差が大きいということです。日本はたったの2%です。
「ちりも積もれば」でしょうが、1000円のおそばを店内で食べると支払いは1100円、出前は1080円。違いは20円です。
大事なことかもしれませんが、国が混乱するほどの問題とはあまり思えません。
臨機応変に対応していただきたいものです。
2%にこだわりおなかがすいているのに我慢して持ち帰りをしたり、家で食事をすることで水道光熱費が多くかかったり、ごみの量が多くなったり、結局違いはそんなに無いような気がします。
軽減税率を気にするより、やるべきことはまだまだある
無駄遣いを奨励するわけではないですが、薄い効果を期待する節約より、中身が充実した生活を送るほうが人生楽しくないですか?
すでに近い将来消費税増税が予定されているのがわかっています。この際ですから、きちんと効果のある節約、家計見直しをやってみるのも一案です。
推奨するのは流動費より固定費の見直しです。
流動費とは日々変動する食費や水道光熱費、お小遣いなどです。
固定費は毎月ほぼ一定の住居費(家賃や住宅ローン)通信費、保険料などです。
固定費見直しは少し手間がかかりますがやってしまうとリバウンドもありません。
特に住宅ローンはマイナス金利で効果が期待できます。
食費の見直しは毎日気をつけなければいけませんからストレスですね。
家計をきちんと見直せば、出前が多くなる必要もなくなるかもしれません。ぜひ取り組んでみてください。
(石井 順子/ファイナンシャルプランナー)