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外国人向け茶道教室が人気!茶道の魅力とは?

JIJICO 2016年3月27日 11時0分

茶道の魅力とは

私が茶道を指導している岐阜の朱雀軒では、お弟子さん同士のコミュニケーションも豊かで、毎回新しい発見と精神を落ち着かせる場として活動しています。

茶道の魅力というと色々なことが連想されますが、その中でも私が感じていることと、情報やモノめまぐるしく動く時代で茶道がどんな様に存在していくのかに着目しながら考えてみました。

茶道体験から創作活動まで幅広く経験できる

茶道というと作法や見慣れない言葉などのイメージが先行しがちですが、経験からちょっとした工夫やアイデアを生み出すことも醍醐味です。

何事もそうですが、体験してみると記事や写真で想像したものと違うことはよくあります。
茶道でも、お茶を点てる一連の作法とかネットや本で調べれば多く出てくるけれど、実際にやってみて初めて理解したり気づくこともたくさんあると思います。

例えば茶道で「空間」は、総合的なお茶の体験を演出するために重要な要素の一つです。
お茶を飲むときにゆったりと眺める景色、それは、掛け軸、花、道具といった全てのものによって演出されるのですが、その景色が、一期一会のお茶の体験を特別で新鮮なものにしてくれます。

これらの演出のコンセプトは、季節をイメージするだけにとどまらず、喜怒哀楽や場所にちなんだものといった亭主の感性によって多種多様に変化していきます。

お茶会は、このような創作活動を仲間と一緒にする魅力的なイベントです。
今はインターネットなどの膨大な情報から、茶道に関するものも豊富に簡単に得られるけれど、実際に見たり、触れたり、聞いたりといった五感を使って自分自身でお茶を経験しながら得ていく理解は、自分の感覚や創作性を磨いていくのに欠かせません。
茶道で得られる大きな財産の一つだと思います。

人や文化の交流によりコミュニティを活性化

茶道を通しての交流も魅力の一つです。
スポーツやゲームのコミュニティと同じように、お稽古でも、お茶会でも新しい人たちとの出会いがあります。

茶道の面白さは、それぞれのお茶の好みやペース、趣向などもわかってくると、お茶を点てるときにもその人の湯加減や、お茶の濃さといったお茶の点て方にも影響が出てくることです。
さらに魅力的なことは、人との交流だけではなく、文化交流もしてしまうことです。

茶道は古くから日本に引き継がれてきた文化ですが、そこでは和菓子、花、書、着物、その他にも置物や建築など多様な日本の文化に触れることになります。
朱雀軒には、呉服屋さんから陶芸家の方、和菓子職人さん、画家さんまで、多様な才能を持つ人たちが頻繁に訪れてお弟子さんたちと交流し、文化とコミュニティの活性化に貢献しています。

茶道を学び体験することは、日本が産み育てた文化に、若い人たちや他国の文化、価値観を持つ人達と交流することによって、変化を生み出す可能性を持っていると言えるかもしれません。

情報砂漠の中の精神のオアシスともいうべきたしなみ

慌ただしい生活を送っていると、ゆっくり腰をついて気分を落ち着かせることも少ないと思います。
情報も多く、時間に拘束されがちな今、無駄なものを一切そぎ落とした空間に自らを置いて、心身ともに落ち着かせることで、今まで意識を向けなかったものにふと気づくことがあります。

ちょっとした明かりの変化、釜とか外から聞こえる音や香りなんかもそうですね。
こうやって感覚や意識が高まってくると、自分の体験を他の人にも最大限に味わってもらいたいと気を配るようにもなっていくこともあります。
他のことに意識がとばない分、普段話さないことや、意識しないことも、お茶の体験を共有することで、自然と出てきます。

お弟子さんの中で、ピアノの先生で音に囲まれた生活から、静寂を求めて朱雀軒の茶室を訪れた方は、ご主人とお茶の時間を作るようになって、会話する機会が増え、気分もリフレッシュできるようになったという方もいます。

「おもてなし」などのコンセプトもひょっとしたらこういう体験の共有みたいな魅力から始まったのかもしれないですね。

(早川 友子/茶道教室運営)

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