就職からがあなたにとって本当のスタート
就活をやり遂げての就職で、燃え尽きてしまうことがあるのでは。
ゴールは就職ではなく、そこから先の自分の職業人としての人生。
でも、就活に費やすエネルギーと時間は、あなたを十分疲れさせているかもしれません。
さあ、でも就職からがスタートです。
ここからのフレッシュマンの成長は就活の時の『独自性』から『社会化』へ移行できるかどうかにかかっています。
独自性のアピールから社会化に早く適応することが重要
就活時は、
・私は人とこんなに違う
・私は、私にしかできない事ができる
と自分と他者の差別化が、ある意味成功の鍵だったかもしれません。
その“自分だけ”という独自性があったからこそ、そこが光って人目に触れて採用を勝ち取ったと言っても過言ではないでしょう。
すっかり、そんな自分に慣れきっていませんか?
そして、入社式を迎え、新入社員としてのスタートが始まります。
ほっとしすぎて気を抜く時間ではありません。
これからは、今まで光っていた『独自性』は全く意味を持たないことを理解して下さい。
これから要求されることは『社会化』です。
多種多様な人たちと、その人たちの考えや行動と、いかに歩調を合わせて行けるかが問われるのです。
共通の話題や考えの近い学生時代の仲間とは違い、自分の考え、価値観とは違う人たちばかりです。
だから腹がたったり、イラついたりするのですが、『他人は他人、自分は自分』、ではなく、社会という思い通りに行かない世界で、自分を押し殺すこともしながら、またしっかり自分の意思を持ちながら、どう生きてどう成長できるかが問われるのです。
周りに対し、どう適応していくのか、それが社会化です。
社会化のために必要なこと
社会化を身につけるために必要な3つのポイントを挙げておきます。
1.お客様感覚を抜くこと。お客様の顔をして待っていても誰も何もしてくれません。
社員・従業員の意識を開き、自分から発想を広げるのです。
2.自分のやりたいことばかりを優先しないこと。お客様や会社のしてほしいことができる社員を目指すこと。
自分がやりたいからと顧客に考えを変えるように主張することはNG。自分の給料の元は会社ではなく顧客であるという原則を大事にします。
3.今後、具体的にどう成長して、そのあと、将来どうなりたいのですか?成長したい!と考えている人は多いものです。
そして、具体的に“成長”の中身を考え、それをビジョンという明確な目標にしておくことが重要。
なぜなら社会や組織で仕事をしていて、すぐに結果が出ることが無いから。2年も3年もそれ以上の月日がかかることが仕事では多いのです。
あなたは何をどう頑張ることで成長できると捉えているのでしょう。途中で投げ出さない自分を創るためにも、ビジョンと言う目標をもつのです。
つまり3つのポイントを踏まえ、自分の『市場価値』をしっかり築いていくということです。
ところが、市場価値という「仕事が出来る、というレッテル」は自分が決められるものではありません。そこが社会化なのです。
でもこのレッテルは、必ずキャリアアップにつながります。
独自性を確立することもキャリアアップには重要
最後に独自性について、誤解のないように説明しておきます。
新社会人を迎えるにあたっては、独自性を捨てることが重要であると言いましたが、
当然、就活時にはその独自性を求められていたわけなので、自らをキャリアアップしていく段階において、独自性は非常に重要になることは間違いありません。
ただ、新入社員の段階でこの独自性にこだわることには危険がある、という意味で理解いただければ幸いです。
(井島 惠子/人材育成コンサルタント・キャリアアドバイザー・メンタルコーチ)