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知らず知らずに取り過ぎる 砂糖の甘くない話

JIJICO 2016年4月8日 9時0分

砂糖の取り過ぎをテーマの映画が話題に

ご存知でしょうか?砂糖の元になる糖質というものは、ほぼ全てのあらゆる食品に含まれている事を。

先日『あまくない砂糖の話』と言う映画が公開され話題を集めています。
この映画はオーストラリアのデイモン・ガモー監督が1日にティースプーン40杯分(オーストラリア人の1日の平均砂糖の摂取量と同じ160g)の砂糖を摂取したらどうなるかと言う人体実験を行ったドキュメンタリー映画です。

摂取するルールは
①「1日ティースプーン40杯分(160g)の砂糖を摂取すること」
②「①を摂取するのは、シリアルやヨーグルトなどヘルシーな食品に含まれる砂糖のみ」
③「清涼飲料水、アイスクリーム、菓子類、チョコレートなど糖質の多いものは食べない」
④「つねに低脂肪食品を選ぶこと」
⑤「実験前の運動量は維持すること」
⑥「1日の総摂取カロリーは2300キロカロリーを維持する」
といったルールを設けた60日の生活を撮影。砂糖の摂取量以外は健康に配慮した食事として、食生活に忍び寄る砂糖の危険性や精糖業界を取り巻く問題を暴きだす内容です。

世界保健機関が出した砂糖摂取の推奨量は1日25gなので、もともとオーストラリア人の平均摂取量はそれから比べればはるかに多いことになります。
ちなみに日本人の平均摂取量は1日に65gほどですが、これは参考までに500mlのカル○スウォーター1本(約66g程の糖質)分になります。

この映画の中で監督は体重が60日間で8.5kg、中性脂肪は1.5倍に増加し、脂肪肝になり糖尿病の初期症状になるまで体調が悪化してしまった結果となっています。
また、気力減退などの精神的症状がひどくなり、甘い物を我慢できなくなる中毒症状が抑えられなくなったそうです。

人類の歴史に逆らった偏った摂取は万病のもとに

ではどうして健康的な食品に限って選んでいるのにこんな結果になってしまうのか?
その答えはズバリ偏った摂取の仕方です。
甘いものと言えば現代では砂糖が思い浮かぶと思います。
しかし自然界では精製された砂糖は存在せず糖だけで構成されているものはありません。

人類の歴史は約700万年と言われておりホモサピエンスが誕生したのが20万年前
その頃の食生活で甘いものが食べたいと思い浮かべてみてください。
何がありますか?
コンビニもスーパーもない時代に甘いものと言えばフルーツくらいでしょうか?

ではフルーツが糖だけで出来ているかと言えばそうではありません。
ビタミンやミネラル、食物繊維や色素など様々な栄養素が含まれており、決して糖質だけではないのです。
また硬い皮に包まれていてきちんと噛んで食べなければならず、一気に沢山は食べられないように自然となっています。

農耕が始まったとされる弥生時代でも約一万年前と言われており、近代社会が始まりまだ400年程度で人類の歴史から比べればほんの一瞬の出来事です。

長い時間をかけて徐々に身体を変化させてきた人類の進化に対して、急激に変化してきた人類の食生活に身体が追いついていない結果が今の生活習慣病の根源にあります。

糖に限らず偏った栄養素の摂取は避ける

ではどう糖と向き合っていくのか?
先ほども述べたように偏った摂取の仕方が問題なのです。

人間の身体はどんな栄養素でも極端に偏った摂取をすれば毒になります。
つまりバランスよく偏りなく栄養素の摂取をすれば問題ありません。

糖質を例にとって具体的にお話すると、日本肥満学会の発表しているデータをもとに成人女性で考えて1日の摂取カロリーを1600kcalで算出すると糖質は240g、タンパク質は60g、脂質は44gの割合でなら問題なく摂取可能です。
ただし、運動量(活動量)、体温、睡眠量によって変動しますので、自分の体質に合ったバランスでの摂取が大切です。

ミネラルなどの微量元素必須脂肪酸をはじめとする必須栄養素を不足させない事、また夜は極端にエネルギーを必要としなくなるため夜20時以降の摂取は控える事。
1日を3食に分けて食べる場合は朝3:昼5:夕2の割合で食べるのがオススメです。
低糖質の食事をされるなら1日のトータルの摂取の糖質を120g以下にするライトな糖質制限がオススメです。
極端な糖質制限はリスクが伴いますので専門家の指導の元に実行する事をオススメします。

バランス良く糖を摂取することが大切

糖も不必要な栄養素ではなく、身体を動かすにはとても素早くエネルギーになりますが、反面糖に依存してしまうと偏りから様々な弊害が出る事が分かっています。
素早く血糖値が上がると満足感・幸福感が一時的には出ますが、素早く上がった血糖値を下げる為に身体は様々な栄養素・酵素・ホルモン・エネルギーを消費してしまいます。

結果クレジットカードで買い物をするのと似たように、後でそのツケがまわってきてしまい生活習慣病になるリスクが高まります。
そうならないためにもバランス良く糖を摂取することに注意していきましょう。

(松尾 賢/ダイエットカウンセラー)

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