スマホの普及と利用時間について
スマホの普及と利用時間の増加によって目の不調を訴える人が増えています。
特に学生にその傾向が強いのですが、理由として1日のかなりの時間、スマホを利用していることが挙げられます。
その実態ですが、女子高生の4割が1日6時間以上スマートフォンや携帯電話を使っているというアンケート結果があります。
また、スマホや携帯の1日の平均使用時間は、中学生は男女とも1・8時間、高校生の男子は4・3時間。
これに対して女子高生は平均で6・4時間。さらに6時間以上が4割を超え、うち12時間以上との回答も1割を超えています。
動画視聴やLINEなどSNSでのやりとりが中心とみられるということでした。
スマホとブルーライト
現代人の生活にはLEDの光が溢れています。
パソコン(PC)やスマホ、タブレット、液晶テレビといった電子機器はもちろん、通常の照明器具も白色LEDを採用したものが普及しつつあります。
白色LEDの白い光は青色の光源と黄色の蛍光体を組み合わせることで実現しているため、同じ強さの光でもブルーライトが含まれる量がどうしても多くなってしまうのです。
ブルーライトとは「青い光」のこと。
人の目で見ることができる可視光の中で、波長の短い光を指します。
PCやスマホのイメージが強いですが、太陽光にも含まれています。
太陽光も大変強い光ですが、空気を通るうちに青い光が散乱してしまい、人が青い光を近くで直視することはないのです。
ですが、スマホなどのブルーライトは目との距離が近いため、直視せざるを得ない環境になります。
スマホの使い過ぎは目に様々な障害をもたらす
ブルーライトに限らず、スマホ、PCを長時間使うと眼精疲労、ドライアイ、視力低下などを引き起こしやすいので注意は必要です。
PCやスマホは目との距離が近いですから、負担が大きいのです。
目にやさしいスマホの利用方法
それでもスマホを利用しない生活というのは考えられませんから、スマホを利用しても目に負担がかからない方法をいくつか紹介します。
1)夜眠る前の2~3時間は、パソコンやスマホ、テレビなどの画面を見ない
2)深夜の照明として白熱灯や蛍光灯を利用する、あるいはブルーライトを抑える機能付きのLED照明を使う
3)パソコンやスマホを使わざるを得ない場合は、ブルーライト対策用メガネを利用する(目に与える影響を50%以上も削減できる)
4)ブルーライトは、パソコンやスマホの背景を白や青にせず、暗い色を選べばほとんど出ません。
仕事をしている人は、パワーポイントやエクセルなどの画面の背景色を黒に変更してみてください。
あとは、明るさを下げることも効果的です。
5)スマートフォンや携帯の画面の文字サイズ(フォントサイズ)を少し大きく(あるいは太く)してみて。
6)数分おきに瞬きを意識的にゆっくり・しっかりと行う。
7)人工涙液を点眼するのも効果的。
8)コンタクトは更に目が乾きやすくなるため、あまり使わないようにすること。
9)蒸しタオルやホットアイマスクなどで目を温めて血行を促進させてあげると、疲れ目だけでなく乾き目にも良いです。
(田川 考作/眼科医)