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管理職を避けて働く人が、40代から払う「ツケ」

JIJICO 2016年6月8日 9時0分

管理職を目指さない若者が増加傾向に

若者から40代の働き盛りに至るまで、こんなセリフを言う人が大変多くなっています。
「自分は、与えられた仕事は真面目にコツコツやり通すが、他の人を管理するような立場の仕事はしたくない。前職も、それを求められるようになったから辞めた」

このような人は大抵が、自宅から50分以内の通勤圏内で、残業があまり無く、土日祝日の休みが通常であるような職場を希望されます。
昇給や高給は求めないが、退職金や福利厚生の手厚さは、会社を選ぶ上で重要なポイントだと言い、「自分の適職がよく分からないんです」と締めくくります。しかしこの人が「適職」を見つけることはできるでしょうか?

40代で誰にでも出来る仕事しか出来ない人は会社に居辛くなる

業種を問わず会社組織での働き方は、大きく次のように分類できます:
①高度な技術や知識を必要としない単純労働
②ある程度高度な技術や知識、資格を必要とする専門職
③特定の資格や免許がなければ行えない独占業務
④現場スタッフと経営者の間に位置して、スタッフのモチベーション維持と円滑な業務遂行を管理する、中間管理職
⑤より経営者に近い立場から、会社の長期的な利益を計画し実行する、上級管理職
⑥取締役以上の役員

①から③までは、上から指示された仕事を実行する現場の仕事と言えます。
④は様々な段階があり、「現場リーダー」から始まるイメージでしょうか。
リーダーくらいならしてもいいが、「主任」レベルからはもう嫌だ!と言う人が増えます。

さらに「係長」「課長」あたりまでが中間管理職ですが、これら役職の先輩を見ていて、精神的、肉体的にきつい割りに見返りは小さいと思うようです。
だったら自分は、少しくらい給与が上がるよりも、気楽に働く方がいいや、というわけです。

もしこの人が③の業務をしているならば、そのまま定年まで働く可能性はあります。
しかし①や②の業務の人は、40代後半に入るあたりから、より若く、やる気も新しい知識もあり、仕事の早い人と競争することになります。
会社は、ただ長くいるからという理由であなたを優遇しません。
会社に利益をもたらす人が欲しいのです。

年齢が上がれば、あなたにしか出来ない仕事をするか、または誰にも真似できないほど高いレベルの仕事をするか、そうでなければ何かの「管理職」をするのが、組織の中で働き続けるための選択肢です。

そのいずれも出来ない人は、組織にとって「貢献してくれない人」です。
そのような人を雇い続ける理由はありません。
遅かれ早かれこの人は、会社を去るしかなくなるでしょう。

厳しい職業人生を選びたくない人こそ中間管理職を目指すべき

中高年になってからこのような状況で転職をすると、新しい仕事に就くのは至難の業です。
「私はこれが出来ます!」とアピールするものが何もありません。
管理の仕事はしたくありません。
でも年齢は○○才です。・・・あなたならば、この人を雇い入れますか?
実際に、数十社に応募しても採用されない40代後半~50代の男性は想像以上に多く、やむを得ず半年契約や嘱託で働くことになりますが、その先はさらに厳しい状況が待っています。

あまり厳しい職業人生を選びたくないと思う人こそ、中間管理職にチャレンジするべきです。
管理職は確かに責任や気苦労も増えますが、それも自分のやり方次第。
やり易いように仕向けることが管理の仕事そのものなのです。

それに管理的な仕事をすると、それまでとは違う視点から仕事を見ることになり、新しい面白さや、やりがいに気づくことも多々あります。
自分に出来る仕事の幅を広げて、安定した職業と生活を築きましょう!

(安藤 ゆかり/研修講師・キャリアコンサルタント)

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