自己肯定感とは何か?自己肯定感の低い人の特徴
仕事、恋愛などの人間関係やコミュニケーションにおいて、「自己肯定感」が重要だと良く言われています。
この「自己肯定感」という言葉、最近はメディアなどでも取り上げられ、耳にすることも多いと思います。
自己肯定感とは、一言で言うと、自分の良いところも悪いところも全部含めて肯定できる、前向きな感情と言えます。
一般的に、自己肯定感の低い人は、
・自分に自信が持てなかったり
・否定的な考えやマイナス思考になりがちだったり
・心配事が多かったり
・必要以上に自分を責めたり自己嫌悪してしまったり
・周りの目や評価が気になって自由に発言したり行動できなかったり
・警戒心が強く、他人を信用することができなかったり
・人を喜ばせようと、他人のお世話ばかりしてしまったり
・必要以上に勝ち負けにこだわって、他人を見下してしまったり
・怒られたり、欠点を指摘されると、素直に認められず逆ギレしてしまったり
中には大げさなものもありますが、こんな特徴が挙げられます。
このような心のクセを持っていると、人との関わりの中でトラブルになったり、生きづらさを感じたり、自由な行動や生き方ができず、悩みや心の問題となって表れてしまいます。
悩みや問題の多くは自己肯定感の低さが原因
これまで悩みや問題を抱えていらっしゃる方をたくさん見てきましたが、その悩みや問題の原因として自己肯定感の低さが関係していることが多いと感じています。
例えば、人に言いたいことが言えない、自分らしく振る舞うことができない、いつも失敗ばかりで何をやっても上手くいかない、頑張りすぎで疲れているのに休めない、大切な人のことが信じられず傷つけてしまう、などなど・・・。
このようなお悩みや問題を深く聞いていくと、自信のなさや自己肯定感の低さなどが原因で余分なストレスを感じてしまったり、不安や心配を抱えてしまっていることが多いと感じます。
それほど心のケアにとって自己肯定感が重要なのです。
一般的に自己肯定感は幼少期に土台が作られる
自己肯定感は幼少期の0~6歳くらいの間にその土台が作られると言われています。
特に母親からの無条件の愛をどれだけ受け取ったかが自己肯定感に最も影響すると言われています。
子育てにおいて、子供の自己肯定感を高めることが必要といわれるのもそのためです。
大人になっても自己肯定感を高めることは可能
このように、「自己肯定感」は幼少期の家庭環境やその後の生育過程が重要な要因となっていると考えられていますが、大人になってからでも自己肯定感を高めることは可能です。
インターネットで「自己肯定感」と検索すると、自己肯定感を高める方法がたくさん紹介されていますが、自分にあった無理のない方法であればよいのですが、そうでない場合は逆効果になってしまうこともあります。
例えば、完璧主義で自分に厳しい方や何でも真面目に取り組もうとする方は、実行できていない自分を責めて自己嫌悪してしまったり・・・。それでは、さらに悪循環になってしまいます。
自己肯定感を高めていくために一番重要なことは、どんな自分にもOKを出してあげることです。
例え何かができなかったとしても、他にできることはたくさんあるでしょうし、頑張っている部分や結果に至るまでのプロセスなどにも目を向けて自分自身を肯定してあげてください。
イライラしたり怒ったりしたとしても、「イライラしたり怒っても当たり前だよね。だって、○○だもん!大切にされたいよね。」などと小さい子供に優しく接するように自分にも接してあげてください。
そうやって、自分自身を大切にして癒してあげることが大切です。
幼少期に傷ついた記憶を持つ人は傷ついた自己肯定感を癒すことが必要
一方、幼少期の家庭環境が複雑で深く傷ついた記憶があったり、大きなトラウマを抱えているようなケースでは、過去の傷ついた記憶を癒してあげることが必要です。
過去の出来事を変えることはできないですが、その出来事に対して感じた感覚や感情を癒して、出来事に対する意味づけを変えることはできます。
そうして、幼少期に傷ついた自己肯定感を癒し、その土台を作ってあげることで、自然と無理なくこれからの行動を変えていくことができます。
自己肯定感を高めようと思っても、なかなか上手くいかない、「やっぱり自分はダメだ・・・」と思ってしまう人は、もしかしたら幼少期にとても傷ついた記憶があるからかもしれません。
また、過去に人との関係で深く傷ついたり、否定されてきたようなケースでは、人との関わりが恐くなったり面倒になったりします。
ですが、人との関わりで傷ついた心は、人に共感してもらったり受け入れてもらったり肯定されることで、心を癒していくことが最も必要だと感じています。
そこには恐れや不安があるでしょうが、それに向き合い克服していく勇気が必要です。
皆が皆あなたを攻撃してくる人ではないということに気づくことが大事です。
自己肯定感は、自分がどれだけ自分を大事にしているかと言い換えることができると思います。
もっと言えば、どれだけ自分自身を幸せにしてあげられているかのバロメーターとも言えるでしょう。
そして、自己肯定感が高まると自分の中に心の余裕や安心感が生まれるので、自然と周りの人に対しても優しくなれたり、周りの人を幸せにしてあげることができるのだと思います。
(大場 慶夫/心理セラピスト 心理カウンセラー)