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健康は所得で変わる?健康に影響を及ぼす所得と生活習慣について

JIJICO 2016年7月14日 15時0分

所得格差が健康格差につながると厚労省の調査結果

最近、日本で問題になっている所得格差ですが、広がりは進んでいるようです。
正社員が減り、非正規やフリーターが増加しているのも原因の一つです。
この所得格差が健康に影響を及ぼすようです。

厚生労働省が国民の健康増進の目的のため、毎年実施している「国民健康・栄養調査」がありますが、最新の平成26年の調査は、所得と生活習慣等に関する状況が重点項目とされています。
その結果から所得格差が健康格差につながることがわかります。

調査結果が明らかにする所得と生活習慣の因果関係

調査は、所得を200万円未満、200~600万円未満、600万円以上に分けています。

1食生活
所得600万円以上に比べると、600万円未満では穀物摂取量が多く、野菜・肉類が少ないです。
値段が低く満腹感のある穀物が低所得で多くなるのは仕方ないですが、栄養面からいえば健康に差し障りがありそうです。

2運動
運動習慣について、所得で著しい差は見られませんが、歩数の平均値は所得200万円未満が少ないです。
無駄な外出を避けて、節約しているのでしょうか。

3喫煙
所得600万円以上に比べると、600万円未満は喫煙率が高いです。
たばこも随分値上げしました。止めた方が健康面でも経済的にもいいですが、禁煙できない理由があるのでしょうか。
また、金銭的にゆとりのある方のほうが、喫煙率が低いのはお金をかけて禁煙した結果なのでしょうか。

4飲酒
男性の方の調査で、所得200万円未満の方にたくさんお酒を飲む方が少ないという結果が出ています。

5睡眠
所得による差は無いようです。

6健康診断
所得600万円以上に比べると、所得600万円未満は健診を受けていない割合が高いです。
健康に関しての意識の差でしょうか。

7体型
肥満者の割合は所得600万円以上に比べると、所得200万円未満で高いです。食生活の偏りが影響していそうです。

8歯
歯の本数が20本未満の割合ですが、所得600万円以上に比べると、所得200万円未満では多いです。
口腔ケアや歯科治療に費用をかける余裕がないということでしょうか。

調査結果から考察できること

所得が少ないと食生活に影響が出ます。
安価なインスタント食品やジャンクフードで済ますなどの栄養の偏りが肥満につながり、また生活習慣病の引き金になることも考えられます。

生活にゆとりがないと健康まで意識がいかないこともあると思います。
歯の状態の格差についても深刻です。虫歯や歯周病は万病の元。
喫煙についてもストレスなのでしょうか。調査全体から、やはり所得格差は健康格差につながるといえます。

所得の格差はすぐには改善できるものではないです。
ただ所得が少なくてもインターネットなどで、いろんな情報等お金をかけずに取得することはできます。
そして、その情報を元に今自分が取り組める最善の健康な生活習慣を実行していくことは可能です。
自分の健康は自分で守る。人生を楽しく生きるには意識改革が必要かもしれません。

(石井 順子/ファイナンシャルプランナー)

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