子どもが習い事をやめたいと言い出したら親としてどうするか?
「小学校2年生の娘が習い事をやめたいって言っているのだけど、どうしたらいいですか?」ある子育て講演会でこんな質問がありました。
「子どもさんがやめたいって言っているのだったらやめさせてあげたら。」
「いいんですか、やめさせても」
「いいですよ、無理して通わせなくても。何もお金出して子ども苦しめることはないですよ。」
「そうですね。そうします。」
その方も薄々そうしようと思っておられたみたいでスッキリした明るい表情になられました。
習い事をやめさせてもいいかをためらう3つの理由
習い事や塾を子どもがやめたいからといってやめさせていいものかどうか・・
親は悩むところです。
なぜでしょう?
そこには大きく分けて3つの心配があります。
今までの時間とお金が無駄になってしまうという親の気持ち
一つ目は、今まで習わせていたことが無駄になってしまうんじゃないかという心配。
これは考え方の問題ですが、今までかけたお金と時間を惜しむよりも、無理やり続けさせて無駄にしてしまうお金や時間の方が勿体無いように思います。
子どもがもうやりたくないと感じているのに無理に通わせても、その習い事が苦痛になるばかりでちっとも上達しないし、やめさせてくれない親を恨むならばかりになるなら何をしていることか分かりません。
今まで習ってみて自分には合わないとわかったことだけでも一つの学びだし、途中でやめる経験も一つの学びと考えるなら決して今までのことも無駄ではないと思います。
持続力のない子どもになってしまうのではという親の心配
二つ目は、何も続かない子になってしまうんじゃないかという心配。
好きで得意な習い事なら続きますし、苦手なものや嫌いなものは続きません。
これは性格の問題ではなく向き不向きの問題です。
嫌なものを無理に続けさせたところで根気のある子には育ちません。
意志の強さや折れない心といったものは好きなものを続ける中で困難にぶつかり、それを乗り越えることで身につくものです。
前提にはそのことが「好きかどうか」「どれだけの思い入れがあるか」が問われます。
そんなに好きでもないものに対して頑張れないのは当たり前の話であって、そのことで何も続かない子にならないかと心配する必要はありません。
子どもに甘い親とみなされる思い込み
三つ目は、忍耐力のないわがままな子になってしまうんじゃないかという心配。
そういう子どもに甘い親は、親としてダメなんじゃないかという思い込み。
例えばあなたがパート勤めに出てその仕事や職場の雰囲気が合わなかったとします。
そういう理由でその仕事を辞めることは決してわがままではありませんし、忍耐力がないわけでもありません。
それはただその仕事や職場が合わなかったというだけの話であり、子どもの習い事も同じです。
子どものやめたいという気持ちを理解し、尊重することを「子どもに甘い」と見る風潮がありますが、親子といえども互いに理解しあい、尊重し合う気持ちがなければ信頼関係は築けません。
それは決して甘いのではなく信頼しているから出来ることなのです。
また、子どもがもっと遊びたいという理由で習い事をやめたいと言った場合、親はそんな理由ではダメと言いがちですが、子どもにとって自由に遊ぶ時間というものは創造性や社会性を身につける上でとても大切なものです。
子どもは遊びを通じて学び成長しているとも言えます。
そして子どもが自由に存分に遊ぶ時間を求めるのは自然なことであり必要なことです。
子どもの気持ちをしっかり聞いた上でやめるかどうか決めさせてあげる
大切なのはゆっくりと子どもの気持ちを聞いてあげて、やめるかどうかを決めさせてあげること。
そうすることで子どもは主体性や責任感を身につけていきます。
そして何よりも、お父さんお母さんは自分を大切にしてくれている、尊重してくれていると子どもとの間に信頼関係が築けることが子どもの前向きな意欲や折れない心につながっていきます。
(長谷川 満/家庭教師派遣)