肩甲骨が肋骨に張り付くことで体全体に悪影響が及ぶ
肩甲骨はがしはなぜ良いと言われるのでしょうか。
肩甲骨は肋骨の後側に被さるようにありますが、本来は肋骨にぴったりとくっついてはいません。
肩こりがひどい、姿勢が悪いと言われる人の場合は、肩甲骨が肋骨に張り付き動きが悪くなり、これが固まり姿勢の悪さにつながる悪循環となります。
肩甲骨は押し上げられ固まり、背中も丸く、首も前に突き出されて、肋骨はお腹に食い込み、本来の自然な場所であれば納まるはずのお肉も行く場がなく、はみ出してしまいます。
内臓も居心地の悪い体になるのは想像できるでしょう。
気道が充分でなかったり、血の巡りもよくない代謝の悪い体になっています。
肩甲骨が肋骨からはがれることによる効果とは
肩甲骨が肋骨からはがれ、よく動くと背骨も連動して動きます。
背骨がしっかり使えるとお腹も伸び、体幹自体の骨の位置が安定して姿勢がよくなり、脚にも負担が少なく無理なく自然な動きが出来るようになります。
内臓もお肉に圧迫されている時より、健やかに居心地良く機能しやすくなります。
骨の位置があるべき位置にあるとはみ出たお肉が納まり、それだけでも体の印象は変わってきますが、肩甲骨はがしを行うことに伴い、肩甲骨の動きが悪かった時に比べると体が連動して整いやすくなってくるため、自然に今まで感じることのできなかった筋肉の動きや体の感覚が芽生えてきます。
肩甲骨はがしをすると痩せる本当の意味とは
大雑把な動きしかできなかった体が繊細な意識を持つことに向かっていくのです。
「肩甲骨はがしをすると痩せる」と言う短絡的なダイエット法なのではなく、その人の本来の自然な体の状態に近づけて、効率の良い体にしてやるためには、まず背骨がしっかり使えることが重要なので、背骨を動かすためには、肩甲骨をはがしましょうと言うことなのです。
体は全てつながっているので、1 つの部分だけ特化しても、それだけでみるみる痩せる訳ではありません。
肩甲骨が動くようにアプローチしていくことで、背骨が動き、体幹が整い、それに付随して代謝も良くなり、体を扱う感覚が研ぎ澄まされて、締まった美しい体につながっていくと言うことです。
肩甲骨はがしで肩こりなども楽になる
そう書くと、とっても大変だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが肩甲骨が動くようになるとまず、肩こりや首の詰りなどが楽になります。
体が楽になることは何よりの喜びです。
上がっていた肩が下がり首が長くなると、それだけでも嬉しいですが、少しずつ連動して楽なところが増えていき、見た目にもスッキリしてきたらどうでしょうか。
心地よいこと、楽になることが感じられると、それは無理なく習慣になります。
今の小さなアプローチが 1 年 3年、5 年、10 年後の自分につながります。
何もしなくても時間というのはあっという間に過ぎていくものです。それなら、まずは未来の自分の体のために「肩甲骨はがし」から始めてみましょう。
年齢がいくつになってもイキイキと過ごすために、思うように動く体とバイタリティ溢れた人生のために。
(うまさき せつこ/モダンバレエ教室主宰)