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悪酔いは安いお酒だけが原因ではない!悪酔いを引き起こす原因とは?

JIJICO 2016年8月7日 15時0分

安い酒だけが悪酔いの原因ではない

お酒を飲んで「悪酔い」したことの理由をお酒のせいにしている方々は実に多いものです。
しかもあの安酒が原因だ!と言いつつ・・・
でも一概にはそうとも言切れません。
理由としては、まんざら外れてもいませんが「安酒」が全ての原因ではないのです。
いくつかの理由があります。

「悪酔い」の原因としては大きく分けて3つあります。

①アルコールに対して分解酵素を持って いる体質なのか・・・
②体内で分解されやすいアルコールの種類なのか・・・
③悪酔いする成分がお酒自体に含まれているか・・・

呑み手の体質が原因の悪酔い

まずは呑み手の体質に因る「悪酔い」の原因があります。
体内にアルコールが入ると呼吸や汗でも体外に排出される分がありますが、胃で約20%、小腸で約80%が吸収されます。
炭酸が加わったアルコールでは胃での吸収率が上がり酔いが早まる傾向にあります。
ある意味急激な「悪酔い」の原因の一つとも言えます。
またアルコールは体温に近い状態で吸収が始まる傾向があり冷たいアルコールを飲むと吸収されるまでの時間差が生じ、酔い始めるまでの間に飲み過ぎてしまうことがあります。

アルコールは肝臓で分解され、劇薬のアセトアルデヒドになります。
それが分解されると酢酸と水に変換されます。
このアセトアルデヒドを分解できる能力については遺伝による個人差が大いに関わります。
日本人の約6割がアルコールに対して弱い人種なんです。
まずは自分の体質を知る事が重要です。

お酒の種類で悪酔いしやすいものとそうでないものが存在

そして次に個々のお酒で構成されているアルコールの種類が違うと言う事が上げられます。
例えば甲類焼酎は何度も蒸留を繰り返すために純度の高いエチルアルコールだけになります。
肝臓での分解も早く「悪酔い」の原因の一つである不揮発性物質がなく、アルコールの種類も一つだけですので肝臓での分解プロセスが単純です。
ですから翌日とても楽なお酒と言えるのです。
価格も安く「悪酔い」は「安酒」が原因とも言えないところがここにあります。

乙類焼酎(本格焼酎)は1回蒸留で概ね6種類ほどのアルコールが出来上がり、醸造酒の日本酒もほぼ同じです。
しかし醸造酒は不揮発性物質を多く含み肝臓での分解にも時間が掛かります。
焼酎が「悪酔い」しにくく、酔い覚め爽やかなお酒として人気が出たのもうなずけます。

悪酔いを促す成分がお酒に含まれているかどうか?

そして最後に「悪酔い」を促す成分が含まれているお酒かどうかと言う点です。
色の濃いお酒には気を付けろ!と言うのを聞いたことがありませんか。
実は「コンジナー」と呼ばれるアセトン(除光液に使われている成分)やタンニン(ワインの渋みになる成分)、フーゼル油(蒸留酒の風味に関わる成分)などがあります。
諸説ありますがこの中に悪酔い関わる成分が入っているとも言われています。

また人間の体に悪影響を及ぼすメチルアルコールの存在も要注意です。
ほとんどのお酒は造る行程でこのメチルアルコールが生成されてしまします。
規制により含有量は100g当たり1g以下に規制されていますがこれも悪酔いの原因とされています。
甲類焼酎には全く含まれておらず、ビールにも著しく少ない量しか含まれていない物質ですが、ワインやブランデー、ウイスキーには微量ですが含まれています。

日本酒で言うと玄米の表面の黒い「糠」の部分に二日酔いの成分があると言われています。
精米歩合の高い日本酒を飲むと悪酔いや二日酔いしにくいと言われる理由の一つです。
ですから日本酒の安酒は「悪酔い」しやすいお酒に入ってしまいます。
特に日本酒の原料表示に不揮発性物質の「糖質」が加えられているものは要注意です。

ワインですと飲んだ直後すぐに頭痛に襲われる方は、酸化防止剤の「亜硫酸塩」かワインに含まれる「アミン」に対するアレルギー反応が考えられます。
自然派ワインに変えてみるといいでしょう。

二日酔いは飲み過ぎが最大の原因 適度な量を楽しむように心がける

 
悪酔いや二日酔いの原因の多くは今だ解明されていない部分も多くあっという間に治る特効薬も有りません。

「悪酔い」はお酒の成分にも因りますが「二日酔い」の最大の原因は適量を超えた「飲み過ぎ」です。
アルコールに依る脱水で引き起こされる「脱水頭痛」等を防ぐ為にも「水」を充分に飲み、そして体質に合ったお酒の種類を見つけることです。

そしてストレスの発散やコミュニケーションツールとしてアルコールを健康的に楽しく飲みましょう。
まだまだ続く夏の夜長を快適にお過ごしください!

(鎌田 孝/利酒師)

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