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史上最低金利での住宅ローンが家計圧迫に 注意すべき4つのポイント

JIJICO 2016年8月19日 15時0分

史上最低金利での住宅ローンが家計圧迫につながることも

2016年2月末にマイナス金利政策が導入されてから約半年が経過し、住宅ローンの金利は史上最低水準まで大きく下がりました。
金利だけを見れば、最も有利な条件で資金を調達できるといえますが、都市部を中心とした住宅価格は決して安い水準ではありません。
今後、住宅ローンを利用する予定がある方に向けて、住宅ローンの家計圧迫を回避するための4つのポイントを解説します。

1.「住宅価値」が「住宅ローン残高」を下回らないように

住宅ローンの金利は低いため、購入時の頭金をゼロまたはできるだけ少なくして、多くの住宅ローンを借りようとする方が多いようです。
低金利で資金調達できるため、多く借りることには経済合理性があります。
しかし、2012年末から住宅価格が上昇しており、高値圏で推移していることを考えると、価格が下落するリスクにも備えておきたいものです。

基本的には、住宅価値が住宅ローンを下回らないような借入額に抑えることをお勧めします。
前述のように、住宅ローンを多く借りる場合には、住宅ローンがなかなか減らず、住宅価格が下落したために、ローン残高が住宅価格を上回った場合に備えて、いつでも住宅ローンの返済に回せる資金を手元に確保しておくべきであり、手元資金なしに多くの住宅ローンを借りるのはリスクが高いといえます。

2.貸した場合の家賃と住宅ローン等の支出の比較を

「住宅ローン返済額+税・保険・管理費等(住宅ローン等の支出)」と「貸した場合の家賃」を比較しましょう。
基本的には、家賃が住宅ローン等の支出よりも数万円程度以上多ければよいのですが、ほぼ同額であったり、家賃よりも住宅ローン等の支出の方が多くなる場合は、住宅ローンの金利が低水準であっても、住宅ローン等の支出全体は高額であると考えられます。

3.子育て世代は教育資金の準備に支障を来さないでしょうか?

住宅ローンは長期にわたる家計費の固定費となるため、住宅ローンの金利が低水準であっても、住宅ローン等の支出等が高額となる場合、
日常生活費や子どもの教育費等に対して圧迫要因となります。
子どもの人数や進学見込み等から子どもに係る教育費等の予算を立てて、住宅ローン等の支出が家計を圧迫することがない範囲内に抑えましょう。

4.変動金利ローン等の場合、金利が上昇した場合の手当ては大丈夫ですか?

史上最低金利水準の今、変動金利型は0.5%前後、10年固定金利期間選択型は1%未満のものもありますが、将来、市場金利が上昇すれば、返済額が増加する可能性があります。
もちろん、このまま低金利水準で推移する可能性もありますが、金利が上昇した場合にどのように対応するか、家族で対応策を考えておきましょう。

具体的には、専業主婦である妻が働く、生命保険を見直す、小遣いを減らす、外食や旅行を減らす等。
住宅ローン等の支出額が「1万円増えたらどうする?」「2万円増えたらどうする」など、「たら・れば」に基づき、家族で話し合って方針を決めておくことをお勧めします。

マイホーム購入は大きなライフイベントであり、「安くてよいものを買う」という経済合理性が全てではありません。マイホーム購入は「快適に楽しく過ごすための拠点作り」であり、経済合理性を伴わないこともあるものです。
しかし、マイホーム購入が生活を圧迫する要因となりうるか否かという経済合理性を把握・確認し、対応策を立て、実行できることは実行しておくことは重要です。
史上最低金利という言葉に踊らされて、夢のマイホーム購入が家計を圧迫することがないように気をつけましょう。

(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)

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