男性的な仕事のイメージであったSEやプログラマーに近年女性が進出
最近「プログラミング女子」という言葉が流行っているようです。
これは女性でコンピューターのプログラムを書く人たちのことを指しているようですが、何だか専門的でかっこいいイメージがある言葉ですね。
プログラムというのは、コンピューターを動かすために必要な手順が書かれたもので、あらゆるソフトウェアの元となるものです。
どのコンピューターも基本的にプログラムに従って動いているので、プログラムがなければメールソフトも、ゲームも、はたまたWindowsなどのOSですら動作しません。
あらゆるものにITが使われてきた昨今、プログラムを設計したり書いたりする仕事であるSEやプログラマーの需要はとても多くなってきています。
しかしながら、今まではSEやプログラマー、エンジニアというと男性的なイメージを持たれることが多かったのですが、近年女性の進出も増えてきています。
私も長年IT業界に携わっており、多くのSEや技術者、プログラマーを見てきましたが、最近は現場で女性のプログラマーやディレクターを見かけることが多くなってきました。
一般的に抱かれるイメージとは違って決して男性にしかできない仕事ではないのです。
プログラミングは実は女性のほうが向いているかもしれない
プログラミングは力仕事ではありませんし、どちらかというと考えることが多いのでとても脳を使う仕事です。
その難しそうなイメージからか、世間一般では「プログラマーは理系の仕事であり、理系出身でないとなれない」と思われていることも多いようですが、私はむしろプログラミングというのは文系に向いている仕事ではないかと思うのです。
プログラムというのは、何かの目的をコンピューターに担わせるとき、時系列で処理をしたり、ところどころでその先の判断について人間に訊ねたりするといった手順を記述していくものですから、書いていくときには物事の流れをきちんと理解しておくことが重要です。
そして、プログラムを書くときに自分で計算をする必要は、実はほとんどありません。
計算自体はコンピューターが行うため、そのやり方を書いてやるだけでいいのです。
ですから、計算は苦手でもプログラムを書くことはできますし、むしろ一般的に女性の方が物事の整理や論理的に考えることが得意と言われていますので、本来プログラマーには向いているのかもしれません。
これからは女性のプログラマーが普通の時代に
私のような昔からパソコンを触っていた人間からすると、人間が直接命令を記述していくのがプログラミングというように思えるのですが、最近では様々なツールが出ていて、言語によっては画面上のアイコンやキャラクターをマウスで動かして、それらの動作を定義していくだけでコンピューターが自動的にプログラムを書いてくれるようなものもあります。
これらのツールを使えば、視覚的な操作で自動的にプログラムができるので、複雑な命令を自分で覚える必要もありませんし、子供たちでもプログラムを学んでいくことができます。
このようなツールの発達により業務自体の負担が減ったことも女性が進出しやすくなった要因の一つと言えるでしょう。
2020年から我が国においても小学校からプログラミングが必修化されるとの発表がありました。
年々多忙化していく小学生にプログラミングをも教える時間が果たしてあるのかどうか、という不安はありますが、これも今後ITがますます広がっていく中でプログラマーが不足することを懸念している、という背景があるようです。
今まで慣習的に何となく男の職場というイメージがあったプログラマーですが、今後は仕事の多様性や女性の積極的な社会参加もあり、女性のプログラマーも必然的に増えていくことでしょうし、数年後には他の職種と同様、プログラマー職に関しても男女が普通に机を並べて仕事をしている時代になっていると予想されます。
その頃になれば、もう「プログラマーは男の仕事だ」などというのは完全に過去の話となりますね。
(目代 純平/ITコンサルティング、ITコンシェルジュ)