若者のみならず広がりを見せるスマホ社会
いつの間にか携帯電話といえばスマホの世界になりました。
電話にカメラの機能がついて、人に送ることができるというのがセンセーショナルだった頃は、遠い昔のようです。
もはや、携帯電話としての機能のみならず、ゲーム機、ナビゲーション、パソコン、銀行振込、TV、音楽プレイヤー、様々な機能が集約されている機器になりました。
そして、人と人のコミュニケーションの中心に君臨したのが、スマホを通してのSNSではないでしょうか。
昨今、中高年にも広がりをみせているSNSですが、実は中高年ほど、さじ加減がわからずSNSにのめり込み、そして心への負担になっているというのです。
初心者マーク故に…
若者たちにとって、SNSというツールは自然に馴染んでいるものであって、「友達」と「SNS上の知り合い」のような区別は自然とついています。
ところが、リアルな対話のコミュニケーションや手紙、電話というツールを経験してきた中高年にとっては、SNSというのは初心者マーク同然のコミュニケーションツールです。
かつて使ってきたコミュニケーションツールにおける「礼儀」たるものが、そのままSNSに継続されてしまうことがよくあるのです。
・早く返事をしなければいけない
・等価分のお返し
このような「礼儀」をSNSに適用したらどうですか?
それは自分に対して重荷になってしょうがないですよね。
若者が”イイネ”を押すのに、本当にいいのかどうか考えることなんてそうそうありませんが、それは自然にできていることなのです。
若者の「依存」のそれとは違う負担
若者がスマホやSNSに依存しまうのは、認められたい(承認欲求)、誰かとつながりたい(親和欲求)が満たされることで脳内に”快”を感じるホルモンが出るからです。
仕組みや文化を理解しているので、イイネがついている数や赤色のバッジ表示に”快”を感じるのです。
しかし、中高年にとっては仕組みや文化は馴染んでいないことです。
しかし、スマホやSNSに手を伸ばすのは何故だと思いますか?
そうですね。「つながりたい。」ただその気持ち故の行動です。
息子や娘かもしれません。孫かもしれません。
中高年がスマホやSNSの機能を“オマケ”程度にして無理に使わないほうが私はよいと思います。
自分が大事にしてきたコミュニケーション文化の良さを逆に若者たちに伝えていくことは、とても価値のあることですよね。
(青柳 雅也/心理カウンセラー)