認知症リスクを下げる余暇活動第1位の社交ダンス
TVでも認知症のリスクを下げる余暇活動第1位として取り上げられた社交ダンス。
興味はあっても、最初の一歩が踏み出しづらいのも特徴だと思います。
そんなためらいや恥じらいを払しょくさせる、まさにいいことづくめの魅力を、社交ダンス教室経営・指導者の立場からお伝えいたします。
安全で簡単に長く楽しむことで健康な身体を維持することが出来る
①2人だから安全で簡単に長く楽しめる
スポーツのくくりでありますが、社交ダンスは1人ではなく2人で手を取り合って踊るため、お年を召した方や長年運動と縁の無かった方も、かなり安全に踊ることができます。
他のダンスのように一人でクルクルと回ることは大変ですが、リードを習得した相手と踊ると、初心者でも不思議と簡単に踊れてしまいます。はじめは意外と踊れる自分にびっくりすることでしょう。
そして続けていく間にいろいろ不安になったり、心が折れそうになってたとしても、支えあうことができます。
相手がいるというのは本当に素晴らしいことと思います。
②アンチエイジング+ダイエット+いつまでも健康で元気に
社交ダンスを始めてしばらくすると、間違いなく体と心が変わってきます。
とあるマイナス思考の生徒さん、体調はいいのだけど急激に痩せてしまい焦ります。
自分はガンになったと思い込み、病院を3件めぐるが異常なし。
ようやくダンスで痩せたんだと思い当たります。
それから20年。70代後半の今も若々しく元気に踊っていらっしゃいます。
社交ダンスで求められる「美しい姿勢」を維持して踊るためには、それ相当のコアな筋肉が必要とされます。
一曲の間、上体を引き上げている姿勢をとるのは正直しんどい。
だけど音楽に合わせて踊るダンスの楽しさは、そんなしんどさを軽々と凌駕していきます。
また、先生に言われるがままに手を広げ、体を伸ばすことで、筋肉の弾力性や柔軟性が蘇り、垂れ下がった内臓も正しい位置に戻っていきます。
楽しく踊っていたら気づかぬうちに瘦せてびっくり、周りの人にも若く見られて、なんだか体の調子もいい感じ!
そんな棚ぼた効果も社交ダンスなら大いにありえます。
脳細胞が活性化され、正装で身も心も整う効果も
③脳細胞がビシビシ活性化する
初歩ステップが一通りこなせたら、ワルツ、ルンバ、タンゴなど、種目が徐々に増え、ステップの難易度も上がっていきます。
そこに加えて、ペアダンス…という枷(かせ)もあり、なかなか思い通りにならなくてじれったい思いになることも…
でもその刺激がいいんです!五感をフル回転させ、自分のカラダの動きをコントロールする。
カラダと頭を同時に使うことが、いちばんの脳トレになるといわれています。
難しいステップを軽やかに踏めたときの嬉しさ、自由自在に踊れたときの爽快感も格別です。
また奥が深く、上級になれば簡単なステップも、重力や振り子運動などを意識して行うことでより美しく、2人の歯車が合うように追及できるのが、いつまでも続けられる魅力ではないでしょうか。
④「正装」で身も心も整う
いざ、発表会や競技会ともなると、「舞踏会」式の女性はきらびやかなドレスを身にまとい、男性は燕尾服もしくは、ラテンシャツと呼ばれる正装がルールになります。
自分の身の丈には合わないんじゃないか。
そんな不安をよそに、実際に袖を通したときの高揚感。
ましてや「似合ってる」なんて言われた時の気分は、もう制御不能のようです。
また、正装にならずとも、レッスンなどで誰かしらと踊るとなれば、自然にきちんと身だしなみを整え、しゃんとした服装を心がけるようになります。
また、僕としては、ご年配の方にこそ明るい色の華やかな装いをお勧めしています。
するとダンスも心も明るくなりますから。
仲間が増え、笑いが増え、人生が楽しくなる社交ダンス
⑤コミュニケーション能力の向上
社交ダンスは、男女が組んで踊りますが、そこにあるのはスケベ根性やエロといわれるものではなく、もっとサラッとした人間的に成熟した「関わり合い」です。
そして、ダンスに言葉は不要で、踊ってしまえば、世界共通語。
パーティーなどで踊るときには、男性がステップや進む方向を決め、女性はそれに合わせます。
まずは音楽のリズムを聞き、女性は相手の動きを感じながらタイミングを合わせ、男性は自分の思考を伝え、助け合いながら踊ります。ふたりで楽しく踊ることで「人と爽やかに関わっていく」能力は格段に上がっていきます。
⑥仲間が増える、笑いが増える
趣味や習い事はみな共通することですが、新しい交友関係が繋がり、世界が一気に広がります。
一人ではできないので年齢や性別を越えた、楽しみを分かち合える「お友達」が自然に増えていきます。
⑦人生が楽しくなる!
コミュニケーション能力がつく、若返る、健康になる、ダイエット効果がある、脳トレになる…
社交ダンスの効用をあれこれあげてみましたが、しかし、「ただただ踊る、音楽に合わせて体を動かすことが楽しい」その快楽に勝るものなんて何ひとつありません。
たとえ寝不足の朝でも疲れきった夜でも心が落ち着かない日も、音楽がかかればやっぱり踊りだしたくなる。
社交ダンスの醍醐味を説明せよ、と言われれば、言葉じゃなくて、「こんな感じです!一緒にどうぞ」と踊ってみせたくなります。
言葉をいくらつくしても、どれだけ熱く語っても、その「楽しさ」は踊ってみなければわかりません。
社交ダンスは年齢や性別に関係なく、誰にでもできる、幾つからでも始められる生涯スポーツです。
一度踊れるようになれば、あなたの人生の財産になります。
教室の生徒さんにも「歩くのはしんどいからイヤだけど、踊るのは大丈夫なのよね」という80代後半のご婦人がいらっしゃいますが、歩くこともままならないその方を踊らせているのは、紛れもなく「踊る楽しさ」だと思います。
踊りだしたくなるほど楽しい人生をあなたも体験してみませんか?
(加藤 周介/社交ダンス教室)