大統領選にみる魅力的な人とは
多くのメディアの予想と反した結果になった今回のアメリカ大統領選挙。
両者ともにメディア戦略に演説と、様々な場面でスーツの色やパフォーマンスを工夫し、積極的に印象戦略を取り入れられていました。
最終的に選ばれたのはトランプ氏ですが、ここでは、その政策について論じるつもりはありません。
そうではなく、候補者であったトランプ氏が、いかに自分が魅力を兼ね備えている人物かを徹底的にアピールし、それが敵も多く作りはしたものの一方で熱狂的な支持者を集め、大統領にまで登りつめました。
その結果をふまえ、魅力的な人物というのはどういう人を指すのか、そして魅力的に映る人間になるにはどうすれば良いのかを考えてみたいと思います。
これは完全に私の好みが入りますが、トランプ氏は外見的に魅力的とは思えません。
でもなぜ多くの隠れトランプ支持層と言われる人を集めたのか、そして結果的に予想を反した結果をもたらしたのか?
それは、多くの国民の望むもの、それをトランプ氏には解決できると思わせた結果であったのではないでしょうか。
それこそ正に、トランプ氏なら実行できると感じさせる魅力が国民に伝わった結果なのでしょう。
魅力的に見えるということはどういうことなのか、説明していきます。
魅力的に見えるということ
魅力的に見えるということは、いい印象を与えるということと同義語ですが、そのいい印象の方程式として普段から私がお伝えしているポイントとして
『いい印象』=『ご本人の見た目の印象』+『社会的環境での役割』『仕事としての役割』『業務・職歴によって問題を解決できる人物像』というものがあります。
これは、ただ「見た目」を整えていれば印象がいいと言われるようになるわけではなく
本人の発している言動や行動、立場にあわせて見た目が整ったときに、「いい印象」として伝わっていくものであるということです。
印象は一人歩きをしていきます。
人は見たものから自分なりの解釈で理解し、想像したりします。
だからこそ、正確に伝えるために、どう伝えるかが大切になってくるのです。
その技術としてパフォーマンス力、演出力が必須な場面は日常の中でもあるかと思います。
意図していることを伝えるための手段として、いい印象を与えることは大切なことなのです。
魅力的に映るために大切な見た目と言動
魅力的にみえるためには、その人の発している言動と視覚的要素が一致したときに初めて効果を発揮します。
見た目が整っていて、パフォーマンスが上手ければその人物が魅力的に見える、ということではないように思います。
有名なメラビアン博士の第一印象の統計に視覚55%、聴覚38%、話しの内容7% という第一印象の法則があります。
これからも第一印象が視覚から入る情報に大きな影響を受けるということがわかります。
表情は怒っているのに「大丈夫!」と言われたような時、人はその事実を言葉の大丈夫ではなく「怒っている」という事実として受け止める、というように話しの内容と視覚情報がずれているときに視覚情報が大いに優先される傾向があるということなのです。
魅力的な人というのは得てして発している言動にウソがありません。
また、その人が心から感じているものは、見た目という部分からも伝わり現れてきます。
これらは日々の小さな習慣からも自然とにじみ出てくるように思います。
逆に、魅力的な人間になるには、普段からこのようなことを意識しながら行動することが重要だということですね。
見た目の印象は
・姿勢(体、心、行動(動き&言葉))
・表情
・装い方
この3つのポイントから作られていきます。
トランプ氏は紺のスーツに赤のネクタイ姿がトレードマークでしたが、もしも、彼がグレーのスーツに水色のネクタイだったら。
彼の言動の想いや熱さは、どのくらい伝わったのでしょうか。
演説の時の身振り手振りがソフトだったら。
彼の印象は大きく異なっていたかもしれませんね。
「きれいな人」と「魅力的な人」に違いはある?
きれいな人と言う時には、外見的要素がそれ以外の要素に優先して大きく影響しています。
しかし、魅力的な人というのは、年齢や性別、職業等をこえてその人自身の生きる姿勢や言動、そしてそれに伴う見た目(視覚情報)から伝わるもの、それが大きな判断基準になるところではないでしょうか。
どちらと言われたいか。
どんな人になりたいか。
それによっても自分磨きをするポイントは違ってきそうですね。
(斉藤 典子/ビジュアルブランディングプロデューサー)