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個性的なお墓を建てるために 知っておくべき事と注意点

JIJICO 2017年1月20日 9時0分

近年広がりをみせる個性的な墓石

近年、核家族化が進むと共に、お墓に対する考え方にも変化が生まれています。
「ご先祖様を供養するためのお墓」から、「自分たち家族のための、他には無いお墓を建てたい」という指向の広がりから、凝ったデザインやオリジナルの彫刻にこだわった墓石が建てられるようになりました。
今回は、個性的な墓石を建てるために知っておくべき事と、意外と見落としがちな注意点について書いていきます。

表現の幅が広がった墓石デザイン

近年建てられる墓石は、従来多く建てられてきた縦型の和型(3段墓)よりも、横型の洋型の方が増加傾向にあります。
和型の墓石よりも洋型の墓石の方が、形状のアレンジがしやすいため、オリジナルの墓石を建てたい方にとっても、洋型の墓石をベースにした方が、新たなデザインで作りやすいと言えます。
以前に比べ工具や技術が発達した現在、墓石材として主に使われている、固い花崗岩の加工がしやすくなったため、曲線の表現もより豊かになりました。

また、形状だけでは無く、素材の面でもバリエーションが増えています。
以前に比べ、様々な色味の石材が墓石材として扱われるようになったため、異なる色の石を組み合わせる事も出来るようになりました。
また、石材と金属やガラスなどの異なる素材を組み合わせるなど、オリジナルデザインの墓石は進化を続けています。

彫刻で変化を付けることも

墓石そのもののデザインはあまり変えたくない、しかし、ちょっとしたアレンジを加えたい、というご要望には、デザイン彫刻を施すことで対応が出来ます。
墓石の彫刻は現在、炭素粒子を高圧で吹き付けるサンドブラストが主流となっており、文字の書体を変えたり、お好みの絵を彫ったりするなど、バラエティに富んだ彫刻が出来るようになっています。
サンドブラスト以外にも、レーザー光線を使った点描によって、写真をそっくりそのまま転写するように彫刻する事も出来ます。
彫刻の手法も幅が広がっているので、目的に応じて選びましょう。

デザインに際しての注意点

では、希望すればどんなデザインの墓石でも作れるかというと、そういうわけにもいきません。
あくまでも墓石は石で作られていますから、石の特性を把握した上でデザインを行わなければならないのです。
石(花崗岩)は非常に硬いですが、衝撃に弱いという特性があります。
破損や安全上の観点から、鋭利な角度を付けたデザインは避けるべきです。
また、石は粒子の集合であるため、細やかな線で描かれた絵を彫刻で再現することは難しいです。
彫刻が可能な線の太さや深さを踏まえた上で、原稿になる字や絵を彫刻用に修正する場合もあります。

墓石のデザインと墓地の使用規則を確認

墓石のデザインをするに際して、材質状の留意点以外にも気をつけなければならないことがあります。
それは、墓石を建てる墓地の使用規則によって、デザインの制限がなされている場合があるということです。
墓地や霊園では、霊園全体の美観を保つ等の目的で、墓石の高さ制限や、使用する石材の種類を限定している所があります。
個性的な墓石を建てたいと考える際には、墓地の使用規則も確認しましょう。

満足のいく墓石を建てるために

個性的なデザインを施した墓石を建てるためには、石材店との綿密な打ち合わせが必要です。
建てた後に「なんだかイメージと違う」などと思うことの無いように、制作前に図面を提示してもらうなど、しっかりと確認をしましょう。
また、石材店によっては、デザインや加工の出来る範囲が異なることがありますので、過去のデザイン墓石の実績をあらかじめ見ておくことも大事です。

墓石を建てるのは一生に一度。
ご家族の皆さんが「この墓石にして良かった」と、喜べる墓石を建てていただければと思います。

(二上 昌弘/お墓ディレクター)

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